OBS Studio(以下OBS)で音声を分けたいと思ったことはないでしょうか。
音声というのは、たとえば
- ゲーム音
- Discord(通話相手の声)
- 読み上げ音声
- その他、デスクトップ音声
- マイク音(自分の声、録画時)
などのことです。
これらの音声を分けると便利です。
- 特定の音をライブ配信に乗せないようにできる
- 特定の音を動画に入れないようにできる
- 複数の音を別々に音量調整できる
- 複数の音を別々に編集できる
そこで今回は、音声を分けるための設定方法について見ていきましょう。
ライブ配信・録画の両方を対象とした解説です。
関連【OBS】棒読みちゃんの読み上げ音声を配信に「乗せない」方法4種
目次
共通設定
「アプリケーション音声キャプチャ」を使う
OBSで音声を分けたい場合、とても簡単なやり方があります。それは、バージョン28.0で追加された「アプリケーション音声キャプチャ」を使う方法です。
これを使えばアプリごとに音声を分けられるようになります。
アプリの例として、
などがあります。
デスクトップ音声を無効にしておく
「アプリケーション音声キャプチャ」を使うときは、「デスクトップ音声」を「無効」にしておきましょう。
なぜなら、そうしないと
- 音が二重になる、金属音のように聞こえる
- 配信に乗せたくない音が乗る
- 動画に入れたくない音が入る
場合があるからです。
ガビガビなノイズが混じるかも
「アプリケーション音声キャプチャ」を使用すると、Windows 11のバージョンによっては音声にノイズが発生するかもしれません。
2024年秋にリリースされた24H2であれば、このトラブルは起きないはずです。
▲Windows 11のバージョンを確認するには、画面下の「スタート」ボタンを右クリックして「システム」をクリックします。
しかし、23H2だとガビガビしたような音声ノイズが聞こえる可能性があります。その点は覚えておいてください。
(配信)ゲーム、Discordなどのデスクトップ音声を分けたい
音声の具体例
以下のようなデスクトップ音声を想定しています。
- PCゲーム音・Discordの通話相手の声
- PCゲーム音・読み上げ音声
- PCゲーム音・YouTubeで再生中の動画の音
設定によってはキャプチャーボード使用時もゲーム音がデスクトップ音声になります。
やり方
大まかなやり方は以下のとおりです。
- 「ソース」の「+」から「アプリケーション音声キャプチャ」をクリックする。
- 任意の名前を付けて「OK」をクリックする。
- 「ウィンドウ」で任意のアプリを選択する。
- 「OK」をクリックする。
- そのアプリの音が配信に乗る、動画に入るようになる。
詳しい設定方法については、下記ページをご覧ください。複数のアプリの音をキャプチャーする方法や、別々に音量調整する方法もまとめました。

(録画)ゲーム・Discord・マイクを分けたい
動画編集で便利
ゲームを録画する目的でOBSを使っている人もいることでしょう。

この場合、以下の音声を分けて動画に入れることができます(マルチトラックオーディオ)。
- ゲーム音
- Didscordの通話相手の声
- マイク音(自分の声)
音声を分けて録画すると、動画編集時に上記3つの音声をそれぞれ独立して編集できるというメリットがあります。
なお、OBSでは動画編集はできません。別途、動画編集ソフトが必要です。


音声トラックの設定が重要
音声を分けるために「アプリケーション音声キャプチャ」を使うわけですが、それだけではできません。
同時にOBSで音声トラックの設定も行う必要があります。初めて聞く用語だという人もいるかもしれません。少し複雑な設定をします。
しかも、場合によっては動画に音声が入っていないのではと誤解するケースもあるでしょう。初心者泣かせな部分が多々あります。
具体的な設定方法については、下記ページをご覧ください。かなり詳しくまとめました。

備考
以下のようなケースの場合、「アプリケーション音声キャプチャ」は必要ありません。
(録画)ゲーム音・マイク音を分けたい
ゲーム音・マイク音を分けて録画したい場合(いわゆる別撮り)は、音声トラックの設定を行いましょう。

(配信)Twitchアーカイブで残したくない音声がある
Twitch配信の場合、BGMなどを配信で流しつつアーカイブには残さないように設定できます。
これをやるには、OBSの「Twitch VODトラック」を使います。
まず、以下のように設定しましょう。
- アカウント接続しておく(「設定」→「配信」から)。
- 「設定」→「出力」を開く。
- 「Twitch VODトラック」にチェックを入れ、「2」が選択されていることを確認する。
- または「Twitch VODトラック (トラック 2を使用)」にチェックを入れる。
- 「OK」をクリックする。
▲「出力モード」を「詳細」にしている場合の設定画面。同モードは「基本」でも設定できます。
そして、以下のように設定します。
- 「音声ミキサー」にある歯車アイコンをクリックする(または「編集」→「オーディオの詳細プロパティ」)。
- アーカイブに残したくない音声のトラック「2」のチェックを外す。
- 「閉じる」をクリックする。
▲アーカイブに残したくない音声についてのみ、トラック2でチェックを外します。今回は、「メディアソース」と「デスクトップ音声」をアーカイブに残さない設定にしました。
まとめ
音声を分けたいという場合、
- どのような目的か(例 : ライブ配信、録画)
- どのような音声か(例 : ゲーム、Discord)
という2つを最初に意識しましょう。
「アプリケーション音声キャプチャ」は便利ですが、使わずに音声を分けられるケースもあります。
もしゲーム音だけを入れたいという場合は、「ゲームキャプチャ」を追加して「音声をキャプチャ」をONにする方法もあります。
より詳細な設定方法については、下記ページをご覧ください。

2006年から15年以上、ゲーム実況のやり方の解説記事を書いています。書いた記事数は1,000本以上。ゲーム配信、ゲーム録画、動画編集の記事が得意です。
記事はていねいに、わかりやすく!ゲーム実況界の教科書をめざしています。