OBS Studio(以下OBS)を使っていて、ゲーム音のみ入れたいということはないでしょうか。
たとえば、ゲーム配信をするとして以下のような音を乗せたくないというケースです。
- Discordの通話相手の声
- YouTubeの作業用BGM動画
- 棒読みちゃんの音声
ゲーム音だけ入れることができたら、とても便利でしょう。
そこで、今回は目的別に3つのケースに分けてやり方を見ていきます。
- 「ゲームキャプチャ」使用時
- 「ウィンドウキャプチャ」使用時
- 「映像キャプチャデバイス」使用時
PCゲーム、およびTVゲーム両方に対応した解説記事となっています。
OBSのバージョンが30.1以上、かつWindows PCであることを前提にしています。
便宜上、ライブ配信を前提にしていますが、録画する場合も設定方法は同じです。
目次
【重要】共通設定を行う
デスクトップ音声を無効化
まず、「設定」→「音声」の「デスクトップ音声」を「無効」にします。
デスクトップ音声を無効化したので、「音声ミキサー」から「デスクトップ音声」の表示が消えました。
これを避けたいのであれば、「デスクトップ音声」は「既定」のままでよいので、「音声ミキサー」の「デスクトップ音声」をミュートにします。
どちらのやり方でもかまいません。今回はデスクトップ音声を無効化しました。より確実な設定方法です。
無効化する理由
デスクトップ音声を無効(またはミュート)にする理由は2点です。
- 視聴者が聞くゲーム音が二重になるのを防ぐため
- ゲーム音以外の音が入るのを防ぐため
ついうっかりしがちな部分ですが、デスクトップ音声の設定変更については忘れないようにしてください。
マイク音声について
マイク音声(自分の声)も入れたい場合は、「マイク音声」でマイクを選択してください。ここはいつもどおりです。
逆にマイク音声を入れたくない場合は、「マイク音声」は「無効」でかまいません。
「ゲームキャプチャ」の場合
前提として、デスクトップ音声を無効化しておきます(上述)。
従来のやり方があるけれど
OBSには従来、「アプリケーション音声キャプチャ」ソースというものがありました(28.0以降)。
すなわち、「ソース」の「+」から「アプリケーション音声キャプチャ」を追加して、入れたいアプリの音を選択するやり方です。
しかし、OBS 30.1以降であればもっと簡単なやり方で同じ趣旨のことができます。必ずしも同ソースを追加しなくてもかまいません。
「音声をキャプチャ」をONに
その方法ですが、まずは「ゲームキャプチャ」を追加してPCゲームの画面を映す場合を想定してみましょう。
いつもどおり「ゲームキャプチャ」を追加してゲーム画面をOBSに映してください。そして、設定画面で「音声をキャプチャ」にチェックを入れます。
これだけです。「音声をキャプチャ」は「アプリケーション音声キャプチャ」ソースと同じものです。
つまり、今回の場合だとPCゲームの音だけ入り、それ以外の音は入りません。
「音声をキャプチャ」のメリット
いままでの「アプリケーション音声キャプチャ」ソースを追加する方法だと、「ソース」欄には最低でも2つのソースが必要でした。
- アプリケーション音声キャプチャ
- ゲームキャプチャ
つまり、(1)ゲーム音だけを入れるための「アプリケーション音声キャプチャ」と、(2)ゲーム画面を映すための「ゲームキャプチャ」の2つです。
ところが、今回の「音声をキャプチャ」を使う方法だと「ソース」欄は「ゲームキャプチャ」の1つだけですみます。
また、「ゲームキャプチャ」の設定画面でチェックを入れるだけなので、手間もかかりません。ほとんどついでに、直感的にできる設定です。
ただし、「アプリケーション音声キャプチャ」と同様、音声にノイズが発生する場合があるので注意してください。
「ウィンドウキャプチャ」の場合
では、「ウィンドウキャプチャ」の場合はどうなのかというと、これも上述の「ゲームキャプチャ」の場合と同じやり方です。
まずは、デスクトップ音声を無効化します(上述)。
つぎに、いつもどおり「ウィンドウキャプチャ」を追加してウィンドウ画面をOBSに映してください。そして、設定画面で「音声をキャプチャ」にチェックを入れます。
こうすれば、たとえばChromeで見ているYouTube動画の音だけ入り、それ以外の音は入りません。
「映像キャプチャーデバイス」の場合
「映像キャプチャデバイス」を追加していて、かつゲーム音以外の音は入れたくないという場合の設定方法です。
繰り返しますが、デスクトップ音声を無効化しておいてください(上述)。
基本設定は別ページで
まず、基本的な点としてSwitchやPS5などのゲーム画面をOBSに映す場合、キャプチャーボードが必要です。
今回はキャプチャーボードの準備が整っていること、すなわちゲーム画面が映っていて、かつゲーム音も出ていることを前提としています。
ゲーム音をPCで聞きたいとき
「映像キャプチャデバイス」の設定画面を開き、「音声出力モード」を「音声のみをキャプチャ」にしてください。
ただ、この設定にすると視聴者にはゲーム音が聞こえるのですが、自分にはゲーム音が聞こえません。
そこで、自分でもゲーム音を聞けるように、以下の設定を行いましょう。
- 「音声ミキサー」の歯車アイコンをクリックする。
- 「オーディオの詳細プロパティ」が開く。
- 「映像キャプチャデバイス」の「音声モニタリング」を「モニターと出力」にする。
「モニターと出力」にすることで、
- 自分にゲーム音が聞こえる
- 視聴者にもゲーム音が聞こえる
という状態にできます。
それでいてゲーム音以外の音は視聴者には聞こえません。デスクトップ音声は無効にしているからです(上述)。
「モニターと出力」は通常は使わない設定ですが、今回のような場合は役立ちます。
パススルーしているとき
もしパススルー出力していて、別モニターでゲーム音を聞きたい(ゲーム音をPCで聞きたくない)場合は、初期設定のままでかまいません。
念のため設定を確認します。「映像キャプチャデバイス」の設定画面を開き、「音声出力モード」が「音声のみをキャプチャ」になっていることを確認します。
つぎに、以下の設定を確認しましょう。
- 「音声ミキサー」の歯車アイコンをクリックする。
- 「オーディオの詳細プロパティ」が開く。
- 「映像キャプチャデバイス」の「音声モニタリング」が「モニターオフ」になっていることを確認する。
この設定であれば、
- 自分はゲーム音を別モニターから聞ける
- ゲーム音はPCからは聞こえない
- 視聴者にゲーム音が聞こえる
という状態にできます。
そして、ゲーム音以外の音は視聴者には聞こえません。デスクトップ音声は無効にしているからです(上述)。
まとめ
ゲーム音声だけを入れたい場合、「ゲームキャプチャ」や「ウィンドウキャプチャ」ならポイントは2つです。
- デスクトップ音声は無効化する
- 「音声のみをキャプチャ」にチェックを入れる
キャプチャーボード使用時は、ゲーム音声だけを入れようとすると設定が少し複雑になりますが、ポイントは2つです。
- デスクトップ音声は無効化する
- 「オーディオの詳細プロパティ」で「音声モニタリング」の設定を適切に変更する
もしゲーム音がそもそも入らないという場合は、下記ページをご覧ください。対処法をまとめました。
2006年から15年以上、ゲーム実況のやり方の解説記事を書いています。書いた記事数は1,000本以上。ゲーム配信、ゲーム録画、動画編集の記事が得意です。
記事はていねいに、わかりやすく!ゲーム実況界の教科書をめざしています。