「棒読みちゃん」によるコメント読み上げは、ライブ配信の内容によってはとても重宝します。
しかし、以下のような不満を持つ人もいます。
- 視聴者からするとうるさい、落ち着かない
- 読み上げ音声を配信に乗せた瞬間に荒らされる
そこで今回は、
- 読み上げ音声を配信に乗せない(一部ではなく完全に)
- 自分だけ読み上げ音声が聞こえるようにする
ための設定方法を見ていきましょう。OBS Studio(以下OBS)なら簡単です。
PC(Windows)の使用を前提とした解説です。
関連OBSデスクトップ音声が入らない、出ないときの対処法。これだけで解決
目次
【重要】4種類のやり方がある
今回は4種類のやり方をご紹介します。
- OBS「アプリケーション音声キャプチャ」を使う
- OBS「音声をキャプチャ」を使う
- 仮想オーディオデバイスを使う
- キャプチャーボードを使う
1番めと2番めは簡単にできるので、おすすめです。両者は基本的に同じ機能ですが、今回は便宜上分けました。
3番めは少し設定が難しいかもしれません。別アプリのインストールも必要です。
もしキャプチャーボードを使用している場合は、4番めの方法を優先的に考えます。
「アプリケーション音声キャプチャ」を使う方法
バージョン28.0で追加された機能
OBS 28.0で追加された「アプリケーション音声キャプチャ」は、指定したアプリの音だけを配信に乗せる機能です。
つまり、指定していないアプリについては音が配信に乗りません。これを使いましょう。配信者である自分だけ読み上げ音声が聞こえるようになります。
デスクトップ音声を無効に
「アプリケーション音声キャプチャ」を使う場合、大前提として「デスクトップ音声」を無効(またはミュート)にする必要があります。
なぜなら、そうしないと
- 音が二重になる、金属音のように聞こえる
- 配信に乗せたくない音が乗る
場合があるからです。忘れやすい部分なので注意してください。
ソースから追加する
つぎに、「ソース」の「+」から「アプリケーション音声キャプチャ」をクリックします。
わかりやすい名前にして(例 : 「ゲーム音」など)、「OK」をクリックします。
すると、設定画面が開きました。どの音を配信に乗せるのか決めます。たとえば、PCゲーム配信なら「ウィンドウ」でPCゲームを選んでください。
もしDiscordの通話相手の声も配信に乗せたい場合は、再度「アプリケーション音声キャプチャ」を追加してDiscordを選択します。
詳細は別ページで
以上の説明で不明な点がある場合や、うまく設定できない場合は、下記ページをご覧ください。より詳しい使い方をまとめました。
「アプリケーション音声キャプチャ」を使うと、複数のアプリの音声を分けて音量調整することもできます。その点も解説しています。
「音声をキャプチャ」を使う方法
バージョン30.1で追加された機能
OBS 30.1では「音声をキャプチャ」という機能が追加されました。
これも「アプリケーション音声キャプチャ」と同じ機能ですが、より簡単に設定できる点が特徴です。
「ゲームキャプチャ」などで設定
「音声をキャプチャ」の設定は、ソースの「ゲームキャプチャ」および「ウィンドウキャプチャ」からできるようになっています。
たとえば、PCゲーム配信の場合、まずはデスクトップ音声を無効にしましょう。
つぎに「ゲームキャプチャ」を追加してOBSにゲーム画面を映します。
そして、設定画面で「音声をキャプチャ」にチェックを入れてください。すると、ゲーム音だけが配信に乗ります。読み上げ音声は配信に乗りません。
「音声をキャプチャ」についての詳細は、下記ページをご覧ください。
仮想オーディオデバイスを使う方法
事情があって古いバージョンのOBSを使いたい場合などは、仮想オーディオデバイスを使う方法もあります。
おすすめの方法ではないので、ざっとやり方を書くだけに留めます。
<VB-CABLEをインストール>
- 公式サイトにアクセスする。
- 「Download」ボタンをクリックする。
- ダウンロードしたZIPファイルを解凍する。
- フォルダー内の「VBCABLE_Setup_x64.exe」をダブルクリックする。
- 「Install Driver」をクリックする。
- 画面を進めていく。
<既定のデバイスを確認>
- PC画面右下のスピーカーアイコンを「右」クリックする。
- 「サウンドの設定」をクリックする。
- 「出力」で「スピーカー (VB-Audio Virtual Cable)」が選ばれていることを確認する。
<「このデバイスを聴く」をONに>
- いまのWindowsサウンド設定画面を下にスクロールし、「サウンドの詳細設定」をクリックする。
- 「録音」タブを開き、「CABLE Output」をダブルクリックする。
- 「聴く」タブを開き、「このデバイスを聴く」にチェックを入れる。
- その下にある「このデバイスを使用して再生する」で、いつも自分が音を出している再生機器を選ぶ(重要)。
- 適当な音を再生し、自分に音が聞こえることを確認する。
- 「OK」をクリックする。
▲「このデバイスを使用して再生する」で選ぶべき項目は、PC環境によって異なります。たとえば、USBヘッドセットを使っているならそれを選んでください。
<棒読みちゃんの設定変更>
- 棒読みちゃんを起動する。
- スパナアイコンをクリックする。
- 「音声出力デバイス」をクリックする。
- さきほどWindowsの「このデバイスを使用して再生する」で選択したデバイスをここでも選ぶ。
- 「OK」をクリックする。
▲さきほどのWindows側の設定と一致させましょう。もし「-1 Microsoft Sound Mapper」を選んでしまうと、読み上げ音声がOBSに入ってしまいます。
<OBSの設定は不要>
OBSの設定はいつもと同じです。「デスクトップ音声」も「既定」で問題ありません。
キャプチャーボードを使う方法
SwitchやPS5などのゲーム配信でキャプチャーボードを使っているのであれば、いったん以上の話は無視してかまいません。
まず、「デスクトップ音声」を「無効」にします。ミュートでもかまいません。これで読み上げ音声などのデスクトップ音声がいっさい配信に乗らなくなります。
つぎに、OBSの「映像キャプチャデバイス」の設定画面を開き、「音声出力モード」を「音声のみをキャプチャ」にします。
そして、以下のように設定しましょう。
- 「音声ミキサー」の歯車アイコンをクリックする。
- 「オーディオの詳細プロパティ」が開く。
- 「映像キャプチャデバイス」の「音声モニタリング」を適切に設定する。
▲歯車アイコンから「オーディオの詳細プロパティ」を開きます。
上記3番めについてですが、これはパススルー出力しているかどうかによって設定が異なる部分です。
- パススルー出力している場合 → 「モニターオフ」に
- パススルー出力していない場合 → 「モニターと出力」に
▲パススルー出力時の設定
▲パススルー出力せず、OBSに映しているゲーム画面を見ながらプレイする場合の設定
詳細については、下記ページをご覧ください。
まとめ
読み上げ音声を配信に乗せない方法としては、OBSの「アプリケーション音声キャプチャ」を使う方法がおすすめです。
基本的にこれを軸にして考えていきましょう。
- デスクトップ音声を無効化、またはミュートにする。
- 「ソース」の「+」から「アプリケーション音声キャプチャ」をクリックする。
- 「ウィンドウ」でPCゲームなどを選択する。
記事中では書きませんでしたが、もし読み上げ音声を配信に乗せるとしてもかわいい声で読み上げることで棒読みちゃんのデメリットが軽減できます。
たとえば、「ずんだもん」などの声にします。「VOICEVOX」をイントールするとできます。
簡単にできるので、気が変わって読み上げ音声を配信に乗せたくなったらぜひチャレンジしてください。
2006年から15年以上、ゲーム実況のやり方の解説記事を書いています。書いた記事数は1,000本以上。ゲーム配信、ゲーム録画、動画編集の記事が得意です。
記事はていねいに、わかりやすく!ゲーム実況界の教科書をめざしています。