OBS Studio(以下OBS)の設定(データ)をバックアップしたり、別PCに移行するにはどうしたらよいのでしょうか。
これができれば
というメリットがあります。
どちらの場合も設定を保存・復元する方法は共通しており、簡単にできます。
プラグインのデータについては解説対象ではありません。
目次
設定を保存・切替えたい場合
まず前提として、設定を保存して切り替えること「だけ」が目的の場合は以下の2つの機能を使いましょう。
プロファイル
プロファイルを使うと、配信サイトごとに設定を保存しておけます。
たとえば、土曜日はTwitch、日曜日はYouTubeで配信したいという場合、プロファイルを作っておけば瞬時に設定を切り替えられて便利です。
シーンコレクション
他方、シーンコレクションは、画面レイアウトの設定やノイズ抑制などの音声フィルターの設定、音量設定などを保存しておける機能です。
画面レイアウトが崩れた場合でも、シーンコレクションを使って設定を保存しておけば安心です。瞬時に復元できるからです。
方法1 : 直接コピペする(おすすめ)
ここからが本題です。
設定をバックアップしたり、別PCに設定を移行するにはどうしたらよいのでしょうか。やり方は大きく2種類あります。
まずはおすすめの方法からです。
設定の保存場所の開き方
設定が保存されている場所を開きましょう。「ファイル」→「設定フォルダを表示」の順にクリックします。
設定の中身
フォルダー内は下記画像のようになっています。
▲すべてのバージョンに「user.ini」があるわけではありません。これはOBSが31.0以降の場合だけ生成されるファイルです。
さまざまなデータがありますが、注目すべきは3つです。
保存されているデータ例 | |
「basic」フォルダー | ・プロファイル(例 : アカウント接続、ビットレートの設定) ・シーンコレクション(例 : シーン・ソース、マイク設定) ・両機能を意識していなくとも最重要 |
global.ini | ・OBSメインウィンドウの位置・サイズ(30.2.3まで) ・選択中のプロファイル、シーンコレクション(同上) ・「設定」から行う一部の設定 |
user.ini | ・OBSのメインウィンドウの位置・サイズなど(31.0以降) ・選択中のプロファイル、シーンコレクション(同上) |
「basic」フォルダー内に「profiles」フォルダーと「scenes」フォルダーがあります。前者はプロファイル、後者はシーンコレクションが保存されています。
コピペして完了
以下のデータをコピーしてください。
- 「basic」フォルダー
- global.ini
- user.ini(OBS 31.0以降)
最後に、いまコピーしたデータを任意の場所にペーストすれば完了です。
- HDD/SSD
- USBメモリー
- クラウドストレージ(例 : Dropbox、One Drive)
方法2 : エクスポートする
もうひとつの方法は、設定をエクスポートする方法です。
エクスポートはOBSで作成したデータを任意の場所に出力する機能をさしており、インポート(後述)することでデータ復元できるようになっています。
プロファイルの場合
プロファイルの場合は以下のようにします。
- 「プロファイル」をクリックする(下図A)。
- エクスポートしたいプロファイルにチェックが入っていることを確認する(下図B)。
- 「エクスポート」をクリックする(下図C)。
- 任意の場所をクリックする。
- その場所にプロファイルがエクスポートされる(フォルダーが生成)。
シーンコレクションの場合
シーンコレクションも同様に行いましょう。
- 「シーンコレクション」をクリックする(下図A)。
- エクスポートしたいシーンコレクションにチェックが入っていることを確認する(下図B)。
- 「エクスポート」をクリックする(下図C)。
- 任意の場所をクリックする。
- その場所にシーンコレクションがエクスポートされる(「拡張子は「.json」)。
手間がかかる
エクスポートの場合、現在選択しているプロファイルまたはシーンコレクションが1個だけ保存される仕様になっています。
したがって、複数のプロファイルまたはシーンコレクションを作っている場合、保存に手間がかかるというデメリットあります。
また、「方法1」で述べた「global.ini」や「user.ini」は保存されません。
設定を復元する方法
方法1の場合
方法1場合、シンプルに保存したデータをコピー&ペーストするだけです。
- OBSの設定フォルダーを開く(上述)。
- OBSは閉じておく。
- さきほど保存した「basic」「global.ini」「user.ini」をコピーする。
- 設定フォルダー内に「basic」「global.ini」「user.ini」をペーストする(ファイルを置き換える)。
方法2の場合
方法2の場合、エクスポート(出力)したデータをインポート(入力)します。
プロファイルであれば以下のようにしましょう。
- OBSを起動する。
- 「プロファイル」→「インポート」の順にクリックする。
- エクスポートしたプロファイルのデータを選択する。
- プロファイルがインポートされる。
シーンコレクションも同様です。
- OBSを起動する。
- 「シーンコレクション」→「インポート」の順にクリックする。
- 「シーンコレクションの自動検索」について質問されたら「いいえ」をクリックする。
- 「...」からシーンコレクションのファイル(拡張子「.json」)をクリックして開く。
- 「インポート」をクリックする。
- メニューバー「シーンコレクション」から切り替える。
注意点としては、データをインポートしても自動的にそのシーンに切り替わるわけではないので、必要に応じて「シーンコレクション」から選択するようにしてください。
注意 : 画像・動画などは別途コピーしよう
バックアップが目的の場合も、あるいは別PCに設定を移行するのが目的である場合も、画像・動画ファイルなどは別途コピーする必要があります。
たとえば、ソースとして追加している画像ファイルを誤って削除した場合、上述した方法では復元できません。
同様に、ソースとして追加している画像ファイルを新PCにコピーしていない場合、シーンコレクションを復元してもその画像は映りません。画像ファイルを別途新PCにコピーしましょう。
今回保存したのはあくまでもOBSの設定(データ)です。その点は注意してください。
まとめ
OBSの設定をバックアップする方法は、大きく2種類あります。
- データを直接コピペする方法
- エクスポートする方法
いずれも手軽にできます。
OBSをアップデートする前や、Windows Update前などにやってみてください。設定が消えるかもしれないという不安が解消されます。
2006年から15年以上、ゲーム実況のやり方の解説記事を書いています。書いた記事数は1,000本以上。ゲーム配信、ゲーム録画、動画編集の記事が得意です。
記事はていねいに、わかりやすく!ゲーム実況界の教科書をめざしています。