ゲーム実況を始めようと思っても、最初になにを準備して、どうしたらよいのか、途方に暮れる人もいるかもしれません。
新しい方法・機材・ソフト・サイトが次々に登場し、ゲーム実況の分野は多様化しています。
そこで今回は、ゲーム実況を始めたい人に向けて基本を解説します。難しい専門用語は登場しません。
YouTuberやVTuberになりたい人も、ぜひ参考にしてください。
目次
動画投稿とライブ配信、どちらか決めよう
ゲーム実況は2種類ある
ゲーム実況は2種類に分けて考えましょう。
- 動画投稿
- ライブ配信
なぜなら、両者で
- 必要な機材・ソフト
- やり方
- コツ・ポイント
が異なってくるからです。
動画投稿
動画投稿は、あらかじめゲーム画面を録画・撮影し、編集した動画をサイトに投稿するタイプです。
実況動画、実況プレイ動画と呼ぶ人もいるでしょう。
たとえば、「動画のここをカットして、ここにテロップと効果音を入れて~」というような編集をやりたいなら動画投稿です。
ライブ配信
他方、ライブ配信というのはリアルタイムで行われる生放送のことです。
ゲーム配信、生配信、配信、放送、ライブストリームと表記されることもあります。
「生」ですから、なにが起こるかわかりません。視聴者と同じ時間を共有し、コミュニケーションをとることができます。
どのデバイスでやるか決めよう
PC
ゲーム実況では、基本的にPCを使います。
たしかに現代はスマホの時代です。動画であってもライブ配信であっても、スマホでゲーム実況を見ている人も多いかもしれません。
しかし、ゲーム実況をやるなら話は別です。PCを使えばどのようなゲーム機でも対応できます。
- Switch用ゲーム
- PS5/PS4用ゲーム
- PC用ゲーム
- スマホ用ゲーム
スマホでやるよりも、PCでやるほうが自由度が高いのです。
PCについては、ノートでもデスクトップでもどちらでもかまいません。ただ、新しくPCを買うなら後者を推奨します。詳細については、下記ページも参考にしてください。
ゲーム機
では、PCがないとゲーム実況はできないのかというと、そうではありません。いまはゲーム機自体に標準でゲーム実況用の機能が搭載されている場合があります。
たとえば、PS5/PS4にはシェア機能が搭載されています。同機能を使えば、動画投稿であっても、ライブ配信であっても、どちらも無料でできます。
では、Switchはどうなのかというと、残念ながらPS5/PS4ほどの強力な機能はありません。最大30秒間の録画はできますが、Switch単体によるライブ配信は不可能です。
Switchの場合は、原則どおりPCを用意しましょう。
スマホ
では、スマホ(iPhone/Android)でゲーム実況できるのでしょうか。じつはスマホでも可能です。
近年、とくに勢いを伸ばしているのは、スマホ + ライブ配信の組み合わせです。PCに比べると不自由な点は多いのですが、手軽なのです。
デメリットとして、実況できるのはスマホゲームのみという点を押さえておいてください。たとえば、「Switchのゲーム実況をスマホでやりたい」というのは無謀です。
予算・総額費用を決めよう
ゲーム実況を始めるとなると、やはり気になるのは予算でしょう。限られた予算の範囲内で、必要な機材・ソフトを用意しなくてはいけません。
まず、やろうと思えばゲーム実況は無料でもできます。
たとえば、PS5/PS4のシェア機能を使うのであれば、最初からすべてそろっています。マイク(ヘッドセット)ですらゲーム機本体に付属されているため(PS5はコントローラーにマイク内蔵)、なにも購入する必要はありません。
では、Switchのゲーム実況はどうかというと、無料ではできません。PCに加えて、キャプチャーボードという周辺機器が必要です。また、声を入れるためのマイクも用意します。
ゲーム実況にかかる費用については、さまざまなパターンが考えられます。そのため、「無料でもできるし、数千円から数万円かかることもある」というのがひとつの結論になるでしょう。
詳細については、下記ページをご覧ください。実況動画用・ライブ配信用で記事を分けました。
どのサイトでやるか決めよう
数多くのサイトが存在します。どのサイトでゲーム実況をやるのか決めましょう。
動画投稿 | ライブ配信 | |
YouTube | ○ | ○ |
Twitch | ○ | ○ |
ツイキャス | × | ○ |
ニコニコ | ○ | ○ |
OPENREC | ○ | ○ |
SHOWROOM | × | ○ |
ミラティブ | × | ○ |
X(旧Twitter) | ○ | ○ |
知名度が高いのは、言うまでもなくYouTubeです。動画投稿・ライブ配信の両方に対応しています。
どのサイトにもメリット・デメリットがあります。サイト選びに悩んだら下記ページをご覧ください。おすすめサイトをまとめました。
初回この2つは避けよう
難しいことを最初にやらないようにしましょう。たとえば、以下のようなことです。
- ボイスチャットの通話相手の声を入れること
- 音声合成ソフトで作った声を入れて動画を作ること(例 : ゆっくり実況)
いずれも難度が高いのです。
たとえば、Discordの通話相手の声を入れたい、PS5/PS4のフレンドの声を入れたいという人は多いのですが、音量調整が複雑です。
(1)自分の声と、(2)通話相手の声、(3)ゲームの3つの音量を揃えないといけません。慣れていないと、これが意外と難しいのです。
ゆっくり実況動画などは、想像以上に時間・労力がかかります。「ふだん動画を見ていて楽しいから」「自分の声を入れるのがイヤだから」という考えで始めると、途中で挫折するかもしれません。
ゲームの利用規約、著作権を確認しよう
原則、アップロードが禁止されている
最後にゲームの著作権についてです。著作権というのは、「他人の作品(著作物)を無断で利用することはできないよ」という権利のことです。
これにより、
- ゲームを録画した動画を投稿する
- ゲーム配信(ライブ配信)を行う
という行為(複製、公衆送信)は、原則として禁止されています(著作権法21条、23条1項)。つまり、ゲームメーカーに無断でゲーム実況をやることはできません。
いくつかの例外
例外として、以下のケースでは著作権侵害になりません。
- ゲームメーカーがゲーム実況を許可している
- ゲーム機のシェア機能を使う
- ゲームメーカーから依頼を受けている
- 著作権法32条が定める「引用」に該当する
最初の2つについては、ゲームメーカーが定める利用規約・ガイドラインが定める範囲内で、ゲーム実況ができます。有名なのは任天堂のガイドラインでしょう。
めんどうかもしれませんが、ゲーム実況を始めるまえに公式サイトで利用規約を確認するようにしてください。
たとえば、以下のようなキーワードで検索します。
- 「カプコン動画ガイドライン」
- 「Cygames ガイドライン」
- 「セガ ガイドライン」
- 「コナミ ガイドライン」
- 「原神 ガイドライン」
ガイドラインがない場合、新作のストーリーもの(例 : テキストアドベンチャーゲーム)は避けたほうが無難です。なぜなら、メーカーはネタバレによる売上低下のリスクを回避したいと考えているはずだからです。
まとめ
ひょっとしたら、「ゲーム実況は難しそう」と思っている人もいるかもしれません。しかし、自分にあったやり方であれば、いますぐにでもできます。
最初からYouTuber(ユーチューバー)を意識する必要はありません。
- 編集でかっこいい動画にしたいな
- 身内に向けてライブ配信したいな
- ゲームプレイを見てもらいたいな
- このゲームが好きな人と話したいな
- このゲームを知ってもらいたいな
- あの人みたいにゲーム実況をやりたいな
そんなところから始めればよいのです。ゲーム実況を楽しんでください!
2006年から15年以上、ゲーム実況のやり方の解説記事を書いています。書いた記事数は1,000本以上。ゲーム配信、ゲーム録画、動画編集の記事が得意です。
記事はていねいに、わかりやすく!ゲーム実況界の教科書をめざしています。