ゲーム実況に興味を持っている人なら、きっとキャプチャーボードの重要性に気づいていることでしょう。
しかし、キャプチャーボードは高い買い物です。しかも、近年のゲーム機には動画共有機能が搭載されています。
はたして、キャプチャーボードを購入する意味はあるのでしょうか。悩んでいる人のために、メリット・デメリットの両方をご紹介します。
目次
なんて高画質なんだ
キャプチャーボードは、いま見ているゲーム画面をそのままの画質で録画できます。スマホで直撮りするのとは比較になりません。
では、Switchの録画機能や、PS4の録画機能と比較して画質はどうでしょうか。結論としては、やはりキャプチャーボードを使ったほうが高画質です。
▲出典 : 『ストリートファイターV』(カプコン)より。シェア機能だと、真空波動拳の青色のエフェクトが潰れてしまいました。肌もぼやけて、のっぺりしています。
上記画像を見ると、キャプチャーボードで録画した動画は以下のことがわかります。
- 細部までくっきり、はっきりと見える
- 画面が荒くなっていない、モザイクのようになっていない
なお、ライブ配信になると話が違ってくるのですが、今回は置いておきます。
自由って、すばらしい
なんだってできる
キャプチャーボードは自由度が高いのです。ゲーム配信(生放送)だってできますし、録画して動画編集だってできます。
ゲーム機にもシェア機能はありますが、さまざまな制約があります。キャプチャーボードがあれば、その仕様に縛られたりはしません。
Switchのキャプチャーボタンと比較
Switchには、キャプチャーボタンが搭載されています。しかし、ライブ配信はできません。あくまでも録画専用の機能です。
そして、その録画機能も万能ではありません。
- 録画できるゲームが限られている
- ゲームによっては録画禁止区間がある
- 最大30秒間しか録画できない
- 任意のタイミングで録画開始できない
PS4のシェア機能と比較
では、PS4のシェア機能はどうでしょうか。こちらは録画もライブ配信もでき、かなり高機能です。
しかし、自由度はキャプチャーボードに劣ります。
- ゲームによっては禁止区間がある
- ライブ配信の対応サイトが限られている
禁止区間はゲームごとに設けられており、録画・ライブ配信できない箇所があるということです。
対応サイトは、ライブ配信で問題になると思ってください。シェア機能で対応しているサイトは、YouTube、Twitch、ニコ生です。この3つ以外のサイト、たとえばツイキャスやミラティブには対応していません。
キャプチャーボードを使えば、以上の制約から開放されます。
見逃しがちなメリット
ゲーム配信機能
ゲーム配信をやる場合、多くの人が持つ不満があります。一般的に、OBS Studioという配信ソフトを使うのですが、「設定がめんどうくさい」「難しい」というものです。
そこで、キャプチャーボードのゲーム配信機能を覚えておいてください。2ステップの設定をするだけで、手軽にゲーム配信ができます。
たとえば、GC550 PLUSやGame Capture HD60 Sが同機能を搭載しています。実際は使わない人も多いのですが、保険として押さえておきましょう。
具体的には、GC550 PLUSの場合はRECentral、Game Capture HD60 SにはGame Captureというソフトが付属されており、5分でゲーム配信ができます。
動画編集ソフト
近年のキャプチャーボードには、動画編集ソフト(PowerDirector)が付いてくるパターンが増えてきました。
つまり、必ずしも自分で編集ソフトを買わなくてもよいのです。キャプチャーボードを買えば、有料の編集ソフトを無料インストールできるわけです。
ただし、最新バージョンでない点や、一部の機能に制限がある点は妥協しましょう。
あらゆるゲーム機に対応
最新世代から旧世代まで
キャプチャーボードがあれば、ほぼすべてのゲーム機に対応できます。
- Switch、Wii U、Wii、GC、N64、SFC、NEW FC
- PS5、PS4、PS3、PS2、PS1、PS Vita TV、PSP(2000/3000)
旧世代のゲーム機、たとえばPS2やWii Uなどもキャプチャーボードと接続できます。ゲーム実況とは関係なく、懐かしむためにゲームを録画して動画に残しておくのもよいでしょう。
iPhone/iPad
iPhoneもキャプチャーボードと接続できます。つまり、iPhoneの画面をPCに映し、PCで録画・ライブ配信できるわけです。
ミラーリングソフトというものを使ってWi-Fiでやる方法もあるのですが、インターネット環境がよくない場合はキャプチャーボードを使います。
デメリット
そう、高いのが難点だ
いちばんの問題は、キャプチャーボードの価格でしょう。SwitchやPS5/PS4をつなげるためには、10,000~20,000円くらいの製品が必要です。
気休めにしかなりませんが、1か月あたりどのくらいの費用負担になるか考えると、多少は精神的に楽になるかもしれません。
たとえば、17,000円の製品を買って3年使うとします。この場合、1か月あたり約472円の負担ですみます。
2,000円台のキャプチャーボードもありますが、個人的にはおすすめはしません。
なお、レトロゲーム機を接続するつもりなら、約3,000円のキャプチャーボードで購入でき、問題もありません。GV-USB2という製品です。
多すぎて選べない、わからない
いろいろな製品がありすぎて、どれを買えばよいかわからないという問題です。おそらく以下のような状態ではないでしょうか。
- 記事を読んでも、各製品の違いがわからない
- Amazonのレビューが低評価で、不安になった
- 高い買い物で失敗したくない
決断が難しいところですが、3製品を基準に考えてみましょう。いずれも筆者が使ったうえでの判断です。
近年は市場が成熟化したのか、各製品の違いがわかりづらくなってきています。実際、他社製品との差別化ができていないのではと思うことも少なくありません。
しかし、上記3製品はわりと個性が明確です。安心できるメーカーなので、無難な部類に入るでしょう。
遅延がある
PCに映っているゲーム画面は、わずかに遅延しています。
これを回避したいのであれば、キャプチャーボードとTV(またはモニター)をHDMIで接続しなくてはいけません。パススルー出力です。
HDMIケーブルでつなぐだけですが、これは多少手間という人もいるでしょう。
トラブルは絶対に起きる
怖いことを書くようですが、なんらかのトラブルは必ず起きます。
- ゲーム画面がPCに映らない
- ゲーム音がPCから聞こえない
- どうも不安定だ
しかし、必要以上に恐れる必要はありません。なぜなら、おおよその対処法はパターン化されているからです。
ひとつ覚えてきたいのは、トラブルの原因がキャプチャーボードとは限らないということです。
PCの設定や、Windows Update、HDMIケーブル、USBケーブル、HDCPが原因だったということもあります。複数の原因が考えられるので、ひとつずつ潰していきましょう。
まとめ
筆者が初めて購入したキャプチャーボードは、2000年代後半に発売されたGV-MVP/GX2という製品でした。
あれからずいぶん時間が経過しましたが、「キャプチャーボードがあればゲームをもっと楽しめる」という考えは現在でも変わっていません。
たとえば、初プレイを録画しておけば自分の成長過程を記録した動画のできあがりです。かつての拙い(つたない)プレイを見返して成長を実感したり、動画編集したものを友人に見せて笑いを取るのもよいでしょう。
PCならではの強みがあるわけです。それを考えてキャプチャーボードを活用すれば、後悔はしません。
ゲーム実況はもちろん、ゲーム実況とは直接関係ない場面でも、ぜひ使ってみてください。
2006年から15年以上、ゲーム実況のやり方の解説記事を書いています。書いた記事数は1,000本以上。ゲーム配信、ゲーム録画、動画編集の記事が得意です。
記事はていねいに、わかりやすく!ゲーム実況界の教科書をめざしています。