PowerDirectorのAI自動字幕起こし機能は、動画の音声を読み取って自動で日本語字幕(テロップ)を作成・挿入してくれる機能です。
メリットは4つです。
- 文字を入力する手間・時間を省ける
- 発話タイミングで字幕を入れる手間・時間を省ける
- 自動文字起こしソフトが不要
- AIテキスト読み上げ機能を使ううえで便利
同機能によって、効率よく字幕を作成できるようになるでしょう。字幕を多用している人、大量の字幕を作成している人であれば、ぜひとも使うべき機能です。
ただ、自動字幕は完璧ではありません。修正する必要があります。このやり方についても見ていきます。
最新版「PowerDirector 2024」を使用しています。
目次
この機能を使えるエディション
AI自動字幕起こし機能は以下のエディションで使えます。
- PowerDirector 365
- Director Suite 365
- Ultimate Suite
- Ultimate
以下のエディションでは利用できないので注意してください。
- Standard
- Ultra
設定画面を開こう
動画をタイムライン上に配置します。
そして、「字幕」→「AI 自動文字起こし」の順にクリックします。
「AI 自動文字起こし」ウィンドウが表示されました。
なお、可能なかぎりカット編集などは事前に済ませておいてください。自動字幕起こしのあとにカット編集すると、字幕の表示タイミングがズレるリスクがあります。
各種設定をしよう
音声元
「音声元」は、初期設定で「オーディオ トラック 1」が選ばれています。通常の動画は音声トラックが1個なので、これで問題ありません。
複数の音声トラックがある動画の場合は、「すべてのオーディオ トラック」を選ぶことで全音声トラックの字幕起こしができます。
選択した範囲のみ文字起こし
通常は動画全体を文字起こししますが、特定範囲のみ字幕起こししたいときの設定です。詳細は後述します。
自動で字幕を作ろう
ここまで設定できたら「作成」ボタンをクリックし、しばらく待ちましょう。
すると、自動で字幕が作成されて下記画像のようになります。ピンク色の帯は、作成された字幕を表しています。
字幕を修正しよう
確認すべきポイント
うまく字幕が作成されたか確認してみてください。
左側の任意の番号をダブルクリックすることで、その箇所から動画を再生できます。
作成された字幕を確認するさい、以下の4点が重要です。
- 正確に文字起こしできているか
- 画面内に表示される文字数が適切か
- 文字が適切な箇所で切れているか
- 句読点を入れる場合は、句読点の位置が適切か
内容を修正する
もし字幕内容(文字)を修正したい場合は、上部「字幕テキスト」の文字部分をクリックしてください。ピンク色の帯をダブルクリックでもかまいません。
すると文字を編集できます。入力が終わったら、入力欄以外の適当な箇所をクリックします。これで完成です。
結合・分割する
上述したような、字幕が不適切な箇所で切れている状態の場合は、その複数の字幕を結合してつなげましょう。
- 結合したい複数の字幕をCtrlキーを押しながらすべてクリックする。
- アイコンの「字幕を結合」をクリックする。
- 複数の字幕が1つに結合される。
逆に1つの字幕を2つに分割したい場合は、以下のようにします。
- 分割したい字幕の文字部分をクリックする(またはピンクの帯をダブルクリック)。
- 文字が入力できる状態になったことを確認する。
- 分割したい箇所でクリックする。
- アイコンの「字幕を分割」をクリックする。
- 1つの字幕が2つに分割される。
▲たとえば、 「そこで3Dキャプチャーを経験されたことのある」を「そこで3Dキャプチャーを」と「経験されたことのある」に分けて表示したいのであれば、「を」の右側部分でクリックします。
表示タイミングを修正する
字幕が表示されるタイミングを直したい場合は、ピンクの帯を左右にドラッグします。端をドラッグするわけではない点に注意してください。
表示時間を修正する
(1)ピンクの帯の左右いずれかの端(あくまでも端)にカーソルを合わせて、それから(2)左右にドラッグして伸び縮みさせます。
表示時間を手打ちしたい場合は、「開始時間」「終了時間」で入力します。
また、ピンク色の帯上で右クリックし、「所要時間」から手打ちで入力する方法でもかまいません。
位置を修正する
画面内における字幕位置は、十字の矢印アイコンをクリックして調整できます。
基本的に「X 位置」ではなく「Y 位置」を調整することになるでしょう。字幕下のスペース(空白)を調整できます。
「すべて適用」をクリックすると、すべての字幕位置を一括で変更できます。
フォント・色・シャドウ、境界線
字幕の装飾については、画面上部の「T」をクリックして設定します。
「すべて適用」をクリックすると、すべての字幕に設定を適用できます。
削除する
字幕を削除したい場合は、その字幕をクリックして選択したうえで「-」アイコンをクリックしてください。またはDeleteキーを押します。
Ctrlキーで複数の字幕を選択できます。
もしすべての字幕を削除したいのであれば、「…」から「すべての字幕をクリア」をクリックします。
特定範囲だけ文字起こししよう
「選択した範囲のみ文字起こし」にチェックを入れると、動画全体ではなく指定範囲だけ文字起こしできます。
やり方ですが、以下の場合はいったん「AI 自動文字起こし」ウィンドウを閉じてください。
- 任意の範囲をまだ選択できていない
- チェックを入れられない(グレーアウト)
▲チェックを入れられない状態のときは、まずウィンドウを閉じます。
つぎに任意の範囲を選択します。
具体的には、(1)タイムライン上のクリップをクリックしてXキーを押し、(2)黄色のハンドルが表示されたら(3)その状態で左右にドラッグします。
すると下記画像のようになります。右クリックから「AI 自動文字起こし」を選びましょう。
「選択した範囲のみ文字起こし」にチェックが入っていることを確認し、「作成」をクリックすれば完了です。
なお、上で紹介した範囲選択の方法が煩雑である場合は、ビデオクリップを分割したうえで、そのクリップ上で右クリックして「AI 自動文字起こし」を選ぶ方法もあります。
まとめ
自動字幕起こしすることで、一瞬で字幕を作成できるようになります。
動画内で字幕を多用するのであれば、この機能は必須でしょう。今後、手動で字幕を作成する機会は限定されてくるはずです。
もちろん、自動字幕起こしをしても修正が必須となるケースは多いですが、0から字幕を入力する手間がなくなるのは大きなメリットです。
字幕を起こしたあとは、ふだんどおり動画を書き出してください。字幕が焼き付いた状態で動画が書き出されます。
もし字幕・動画を別々にしたい場合は、公式サイトの最後のほうに情報が掲載されています。
2006年から15年以上、ゲーム実況のやり方の解説記事を書いています。書いた記事数は1,000本以上。ゲーム配信、ゲーム録画、動画編集の記事が得意です。
記事はていねいに、わかりやすく!ゲーム実況界の教科書をめざしています。