筆者は、2009年からずっとBandicamを使っています。もはや録画といえば、Bandicam抜きでは考えられないほどです。
もちろん、現在では無料で使える優秀なキャプチャーソフトも増えてきました。
たとえば、OBS Studio(以下OBS)や、ShadowPlayで実況動画を作っている人も多いでしょう。筆者も使います。
しかし、PCゲームを録画(実況動画を含む)したいなら、Bandicamが最強です。その理由を4つご紹介します。
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目次
設定が簡単
Bandicamでは、設定で悩むことがありません。とても簡単に使えるからです。
録画モードを選ぶだけ
まずは、2種類の録画モードがあるという点を押さえておきましょう。
- 画面録画モード
- ゲーム録画モード
▲画面録画モード(左)と、ゲーム録画モード(右)
最初にどちらかを選びます。以下は一例です。
- ブラウザゲームを録画したい → 画面録画モード
- Steamゲームを録画したい → ゲーム録画モード
あとは録画する対象を決めて、Bandicamの録画ボタンをクリックします。あるいは、F12キーでもかまいません。たったこれだけです。
詳細な設定も瞬時にできる
では、以下のような場合、どのように設定すればよいのでしょうか。
- 画質が悪い、画面が荒いのを直したい
- ファイルサイズを小さくしたい
- カクカクするのを直したい
- 自分の声を動画に入れたい
- 音ズレしないようにしたい
簡単です。すべて「ビデオ」タブで設定できます。
同タブには、「詳細設定」ボタンと、「設定」ボタンがあります。どちらかのボタンをクリックしましょう。
▲「詳細設定」ボタンと「設定」ボタン
「詳細設定」ボタンからは、たとえばマイク音声を入れる設定ができます。つまり、ゲーム実況の設定です。
▲マイク音声のまとめ撮り、および別撮りに対応しています。初心者向きなのは前者です。
また、「設定」ボタンをクリックすると、画質・ファイルサイズの設定ができます。PCが重くてカクつくときや、音ズレするときも、ここの設定を見直しましょう。
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録画機能が充実
Bandicamは、録画機能が優秀です。具体的にどう優れているのか、見ていきます。
なんでも録画できる
Steamで売られているようなゲームを録画する場合、一般的にはゲーム録画モードを使います。
▲ゲーム録画モード
これはとても便利なモードで、ゲームを起動するだけで録画できる状態になるというものです。
▲ゲーム画面の左上に、緑色の数字(フレームレート)が表示されたら成功です。
ただ、ゲームの仕様上、同モードでは録画できないことがあるかもしれません。そのようなときは、画面録画モードの出番です。
▲画面録画モード
2種類のモードを使い分ければ、録画できないゲームはありません。また、ゲーム以外のものを録画したいときも、画面録画モードを使いましょう。
範囲指定して録画できる
Bandicamは、画面キャプチャーも得意です。画面キャプチャーとは、デスクトップ画面の録画のことです。
たとえば、画面内の特定の範囲を録画したいというときは、「指定した領域」を選択してください。
すると、枠が表示されます。枠内にある部分を録画できるというわけです。
枠の位置・場所は変更でき、サイズも調整できます。細かく調整すれば、「よけいな範囲を録画してしまった」ということがなくなるでしょう。
低負荷で録画できる
ハードウェアエンコーダーといって、PCにかかる負荷を減らす機能に対応しています。
いまはもう珍しい機能でもありませんが、「PCの動作が重い」「カクカクする」「フレームレートが出ない」というときは必要に応じて使いましょう。軽くなります。
録画中に一時停止できる
かなり地味ですが、録画を一時停止できる点も便利です。
たとえば、ゲームを録画していてロード画面に入ったとします。言うまでもなく、動画では不要な部分でしょう。
あとで動画編集ソフトを使い、ロード画面をカットしてもよいのですが、少し手間です。
また、ロード画面に入った瞬間に録画を停止する方法もありますが、動画が複数に分割されてしまいます。あまり動画ファイルの数は増やしたくありません。
そこで、Bandicamの一時停止ボタンです。一時的に録画を止めることができ、ゲームが始まったらすぐに録画を開始できます。意外と重宝するので、ぜひ使ってください。
マイクの別撮りにも対応
ゲーム実況に慣れないうちは、動画にマイク音をそのまま入れて録画する方法がお薦めです(まとめ撮り)。
ただ、ゲーム音とマイク音を別々に収録すれば、音声編集が便利です(別撮り)。
▲動画編集ソフトで動画を開くと、2つのオーディオトラックが表示されます。「A1」がゲーム音、「A2」がマイク音です。
Bandicamは、どちらにも対応しています。ゲーム音が入ったトラックと、マイク音が入ったトラック、動画内に2つのオーディオトラックを作ることができます。
▲このチェックを外すと別撮りになります。別撮りの場合は、編集ソフトのほうでマルチトラックオーディオに対応している必要があります。
細やかなアップデート
継続的にアップデートが行われている点も心強いところです。公式サイトの更新履歴を見ればわかるとおり、機能追加・改良が2009年のリリース以来ずっと続いているのです。
不具合の修正も余念がありません。
もちろん、「有料ソフトだから当然」と思う人もいるでしょう。しかし、最初にライセンスキーを1回買うだけで、あとは延々とアップデートが行われて使いやすくなっていくというのは、やはりお得です。
もともとBandicamは完成度の高いソフトでした。それがアップデートを繰り返すうちに、さらに改良され進化してきたのです。今後も期待できそうです。
ただ、
日本語ヘルプが詳しい
どんなに初心者に優しいソフトであっても、やはりマニュアルは必要です。困ったことがあったら、Bandicamの公式サイトにアクセスしましょう。
ここにすべての機能の使い方、設定方法が載っています。たとえば、「ビデオ」タブの画質設定に出てくる専門用語の意味についても、詳しく説明されています。
ほかのソフトと比較して思うこと
OBSと比べて
近年、OBSのユーザーが増えているのを実感しています。
ライブ配信用のソフトではありますが、録画機能も搭載されており、完全無料で使えるのです。配信しながら録画したいなら、OBSは外せません。すばらしいソフトです。
解説記事を作成する関係で、筆者が日々OBSユーザーの感想を見て思うのは、うまく設定できていない初心者が多いという点です。
たとえば、OBSでは最初に「+」をクリックし、ゲーム画面をOBSに映す必要があります。しかし、この段階でつまずく人がいます。具体的には、ゲーム画面がOBSに映らないというケースです。
▲OBSで録画する場合は、「+」をクリックすることから始めます。
また、OBSでは範囲指定の画面キャプチャーのやり方が少し特殊、という点も覚えておきましょう。いったん全画面を取り込み、よけいな部分を削る必要があります(クロップ)。Bandicamほど瞬時にはできません。
▲OBSの場合、Bandicamのような取り込み枠はありません。
もしOBSで録画するなら、以上の2点はあらかじめ覚えておきましょう。対処法を知らず、イライラして機嫌を悪くする人、不満をつのらせる人が必ずいます。
ただ、こういったデメリットを許容できるのであれば、OBSはかなり優秀です。アップデートによって実用的な機能(例 : 特定のアプリの音だけを動画に入れる)が搭載され、大きく進化しています。
ShadowPlayと比べて
ShadowPlayは、NVIDIAのグラフィックボード(GPU)を搭載したPCを持っているなら、一度は使うべき機能です。
ShadowPlayで注意したいのは、可変フレームレート(VFR)の動画になるという点です。詳しい説明は省きますが、これが原因で音ズレの原因になることがある、と思ってください。
ありがちなのは、たとえばShadowPlayで撮影した動画をAviUtlで編集したいのに、映像と音声がズレるというパターンです。
もちろん、録画後に音ズレを防止する対処法はあります。ただ、AviUtlでの編集を前提とした場合は、ひと手間かかります。
バックグラウンド録画はない
OBSやShadowPlayにあって、Bandicamにはない機能があります。それがバックグラウンド録画です。
これを実際に使うかどうかは人にもよりますが、念のため覚えておいてください。
まとめ
話をまとめます。
Bandicamは設定が簡単です。したがって、「録画できない」「設定がめんどう」「設定方法を忘れた」などの事態は起こりません。
また、録画機能も充実しています。アップデートや、ヘルプも抜かりありません。
Bandicamは無料でも使えます(仕様版)。まずはゲームを10分録画してみて、その使いやすさを実感してください。
関連 詳しいBandicamの使い方と、高画質・低負荷にするための設定例
2006年から15年以上、ゲーム実況のやり方の解説記事を書いています。書いた記事数は1,000本以上。ゲーム配信、ゲーム録画、動画編集の記事が得意です。
記事はていねいに、わかりやすく!ゲーム実況界の教科書をめざしています。