今回、ゲーミングPCの「GALLERIA XA7C-R70S」を借りることができました。
このページでは、筆者が実際に4日間GALLERIA XA7C-R70Sを使用し、スペック的に問題なくゲーム実況できるのか検証した結果を掲載しています。
CPU | Core i7-10700 |
メモリ | 16GB |
グラフィックボード | Geforce RTX 2070 SUPER |
マザーボード | ASUS PRIME H470-PLUS |
ストレージ | NVMe SSD 512GB |
電源 | 650W(80PLUS認証 : BRONZE) |
OS | Windows 10 Home |
価格 | 公式サイト(ドスパラ)を参照のこと |
上表のスペックは、2020年10月時点の貸出機のものです。最新情報については、商品ページを確認するようにしてください。
2021年1月現在、後継モデルとして「GALLERIA XA7C-R37」が発売されています。グラフィックボードがRTX 3070へと進化しました。
目次
Switch録画 → 軽い
HD60 S
Switchのゲーム実況をやるには、キャプチャーボードが必要です。
今回はGame Capture HD60 S(以下、HD60 S)を使用しました。4Kには対応していませんが、Switchのゲーム実況ならフルHD対応の製品でじゅうぶんです。
OBSの設定
スペックの検証方法ですが、OBS Studio(以下、OBS)を使って録画し、PCにかかる負荷がどの程度か、またカクつきが発生しないか確認します。
ライブ配信ではなく録画を行う理由は、インターネットの通信速度の影響を受けないこと、および動画検証のしやすさによるものです。
OBSの設定を下記画像のとおりにして録画しました。
検証結果
CPU使用率は7~9%、GPU使用率は17~18%で推移し、カクつきは0でした。きわめて余裕があります。
端的に書くと、あくまでもPCを購入する目的がTVゲームの録画・ライブ配信程度なら、ここまでのスペックを誇るPCは必要ありません。
では、PCゲームのほうはどうでしょうか。
PCゲーム録画 → 軽い
OBSの設定、計測方法
OBSの設定は上に書いたものと同じです。
PCゲームは重いものから軽いものまでありますが、今回はゲーム配信で人気のある競技性の高いゲームをチョイスしました。
- フォートナイト
- Apex Legends
- VALORANT
競技で重要なフレームレートの計測にはCapFrameXを使用し、OBSで録画した状態で平均fpsと最小fpsを調べます。
ゲーム側の画質は、フルHD、かつ最高設定を基本としています。
そして、ゲーム側のオプションでフレームレートを3回変えて、それぞれ検証しました。
- 60fps
- 144fps
- 無制限
垂直同期の設定は無効にしています。
フォートナイト
フォートナイトでは、グライダーによる降下直後から検証を開始し、付近にあるオブジェクトを破壊しつつ移動しました。
- モーションブラーはOFF
- DirectX 11のまま
- レイトレーシングはOFF(DirectX 11なので)
- DLSSはON(バランス)
2020年9月、フォートナイトはDLSSに対応したため、今回はONにしています。この機能を有効にすることでGPU使用率が減少し、フレームレートが大幅に向上します。
60fps
まず、上限60fpsの場合ですが、CPU使用率、GPU使用率ともに低く、性能を持て余しました。標準的な60Hzモニターを使用しているユーザーは、大きな余裕を持ってゲーム実況ができるでしょう。
CPU使用率 | 36~43% |
GPU使用率 | 33~38% |
平均フレームレート | 60fps |
最小フレームレート | 50fps |
▲「エンコードのラグが原因でスキップされたフレーム」が0なので、カクついていないことがわかります。
144fps
つぎは上限144fpsの場合です。CPU使用率、GPU使用率ともに一気に跳ね上がりますが、録画中でも144fpsに張り付いていました。まだ余力があります。
CPU使用率 | 57~62% |
GPU使用率 | 63~67% |
平均フレームレート | 143fps |
最小フレームレート | 102fps |
無制限
最後に、フレームレート無制限の場合です。144fpsの場合と比較しても負荷が少し上昇したくらいでしかありません。DLSSのおかげもあり、平均フレームレートが170fpsと高めに出ています(OFFだと146fps)。
CPU使用率 | 60~64% |
GPU使用率 | 75~80% |
平均フレームレート | 170fps |
最小フレームレート | 114fps |
フォートナイト + FaceRig
おまけで、FaceRigを使ってVTuberをやりながら、同時にフォートナイトを録画した場合についても検証しました。
以下のデータは、フォートナイトのフレームレートを「無制限」に設定したときのものです。あえて重い設定にしたにもかかわらず、平均で144fps近く出ています。
CPU使用率 | 69~72% |
GPU使用率 | 87~93% |
平均フレームレート | 142fps |
最小フレームレート | 80fps |
Apex Legends
Apex Legendsもゲーム配信で人気のタイトルです。今回は、射撃訓練場を周回して検証しました。
Originの起動オプションでフレームレートの上限を変更することもできますが、あえて行いませんでした。そのため、最大フレームレートは144fps(仕様)です。
結果は以下のとおりです。GPUの性能をフルで使い切っているものの、OBSによる録画で問題が起きることはありませんでした。カクつきは0です。
CPU使用率 | 37~44% |
GPU使用率 | 97~99% |
平均フレームレート | 144fps |
最小フレームレート | 110fps |
VALORANT
競技系FPSゲームのなかで、トップクラスで軽いのがVALORANTです。射撃場を周回して検証しました。
60fps
まず、上限60fpsの場合です。VALORANT自体が軽量級のゲームであることに加えて、GALLERIA XA7C-R70Sも高スペックPCであるため、不安要素がまったくありません。
CPU使用率 | 19~22% |
GPU使用率 | 19~21% |
平均フレームレート | 60fps |
最小フレームレート | 58fps |
144fps
上限144fpsの場合も同様です。フレームレートを重視する144Hzモニターのユーザーも、安心してゲーム実況できるでしょう。
CPU使用率 | 38~43% |
GPU使用率 | 37~41% |
平均フレームレート | 144fps |
最小フレームレート | 127fps |
無制限
最後に、フレームレート無制限についてですが、なんと画質を落とさずとも平均280fps近く出せました。ゲームを録画しているにもかかわらず、パフォーマンスがほとんど落ちません。
CPU使用率 | 45~50% |
GPU使用率 | 56~60% |
平均フレームレート | 277fps |
最小フレームレート | 178fps |
動画撮影以外のこと
動画編集(書き出し)
動画編集ソフトであるPremiere Proを使い、1080p/60fpsの動画(H.264、34Mbps)をH.264でSSDに書き出しました。17分の動画です。
GPUを使うハードウェアエンコードだと、6分54秒という短時間で終了しました。ただ、タスクマネージャーを見るかぎりGPUの性能を使い切れていなかったので、さらに速くなる余地があるはずです。
音質
マイク(ECM-PC60、3.5mmステレオミニ)を接続して検証したところ、一般的なPCと同様、「ザーッ」というノイズが入りました。
ノイズの混入を防ぎたいのであれば、機材をきちんとそろえたほうがよいでしょう。たとえば、AG03を導入するだけでも高音質になります。
また、ソフトウェア側でノイズを低減させる方法もあります。
ヘッドホンは大きなノイズはなく、ヘッドホンの音質はそこまで悪くありません。ただ、低音が不足しており、平坦な音質です。
静音性
動作音は、一般的なゲーミングPCよりも静かです。インターネットでWebサイトを閲覧する程度だと、動作音がほぼ聞こえません。
もちろん、ゲームプレイ時や、録画・ライブ配信のときは、さすがに音が大きくなります。しかし、それでもうるさくはありません。140mmファンの採用が功を奏しているようです。
本体画像・ギャラリー
外観
▲前面上部は45度の傾斜がついています。このおかげで、ヘッドセットやUSB周辺機器を接続しやしすくなっていました。
▲サイド両側のメッシュ部分から吸気する構造です。
▲左サイドは、中身が薄っすらと見えるアクリルパネルです。内部のパーツは光りません。
▲背面には計8個のUSB端子が搭載されています。USB Type-Cも1個あります。
▲一般的に、HDMI端子とモニターを接続する人が多いでしょう。
▲天面から排気する仕様です。
▲天板を取り外すとフィルターがありました。このフィルターは水洗いして清潔に保てます。
内部
▲左サイドパネルを開けると内部にアクセスできます。
▲チャンバー構造(PSUシュラウド)が採用されており、電源ユニットや電源ケーブルが見えないようになっています。
▲手前にあるのが120mmのCPUファン、奥にあるのが140mmのケースファンです。見えづらいですが、上側にも140mmのケースファンがあります。
▲PCI Expressスロットが空いているので、内蔵式のキャプチャーボードを接続できます。
▲右サイドパネルを開けると、裏面配線(裏配線)されているのがわかります。
▲SSD用の2.5インチベイ(上)、およびHDD用3.5インチのシャドウベイ(下)がそれぞれ2基ずつあります。
購入時の注意点
注意点というほどでもありませんが、以下の点に気をつけましょう。
- ストレージはSSDのみで、HDD非搭載
- マウス・キーボードは付属しない
- DVDドライブは非搭載
現時点ではHDDは搭載されていません。録画や動画編集をやるなら、1~2TBのHDDはあったほうがよいでしょう。
もちろん、512GBのSSDを搭載しており、すぐに容量が不足するということはありませんが、長期的に見た場合は動画ファイル保存用としてHDDが必要になってくるはずです。
まとめ
GALLERIA XA7C-R70Sのポイントは、以下のとおりです。
- フルHDのPCゲームを高フレームレートでゲーム実況できる性能
- 静か
- ドスパラでいちばん売れているゲーミングPCなので安心
- LEDが写真で見る以上にクール、色は変更可能(参考)
- 2020年10月、価格が改定されて1万円安くなり、コスパが改善された
もし高スペックなPCが欲しいなら、GALLERIA XA7C-R70Sは有力な候補のひとつになるでしょう。eスポーツ系のゲーム配信も快適にできます。
2006年から15年以上、ゲーム実況のやり方の解説記事を書いています。書いた記事数は1,000本以上。ゲーム配信、ゲーム録画、動画編集の記事が得意です。
記事はていねいに、わかりやすく!ゲーム実況界の教科書をめざしています。