【OBS】音質が悪いのはこれが原因?CoreAudio AACエンコーダーで音質向上の可能性

OBS Studio(以下OBS)を使っているなら、ちょっとした準備・設定をするだけで音質を上げられるかもしれません。

音質

ライブ配信・録画で音質が悪いと感じた場合は、

  • 音声ビットレートを上げる
  • CoreAudio AACエンコーダーを使う

という2点をまずは確認してみましょう。

もっとも、この2点が原因のすべてではありません。そこで、ほかに考えられる原因もまとめました。

Windows PCを前提とした解説です。

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音声ビットレートを上げよう

まず基本的な点として、音声ビットレートを高くするだけで音質問題が解決する可能性があります。

通常は160kbpsや192kbpsでじゅうぶんですが、問題の切り分けの意味も込めて320kbpsにしてみましょう。

  1. 「設定」→「出力」の順にクリックする。
  2. 「出力モード」を「詳細」にする。
  3. 「音声ビットレート」を「320」にする。
  4. 「OK」をクリックする。

音声ビットレート

音声ビットレートの設定はトラック1~6まであります。通常はトラック1を使うので「トラック1」の「音声ビットレート」の設定を変更しますが、トラック2を使うなら「トラック2」のほうを変更します。

トラック

もしトラックという用語の意味がわからない場合は、下記ページをご覧ください。

【OBS】配信ではマイク音を入れつつ、録画には入れない方法。ポイントは音声トラック
OBS Studio(以下OBS)でライブ配信・録画を同時に行う場合に、録画だけマイク音を入れない設定にすることもできます。 ...
【OBS】ゲーム音・マイク音を分けて、別々に録画する方法。別撮りのポイント
OBS Studio(以下OBS)でも別撮りできます。 ここでいう別撮りとは、1個の動画内でゲーム音・マイク音を2つに分けて録...

CoreAudio AACエンコーダーを使おう

鍵は音声エンコーダー

音声ビットレートを高くしても音質が悪いと感じる場合、鍵となるのはOBSで用いる音声エンコーダーです。

音声エンコーダー

音声エンコーダーとは、ここでは音声のデータ量をライブ配信・録画用に減らす、小さくするためのソフトウェアだと思ってください。

このエンコーダーには複数の種類があり、どのエンコーダーを使うのかによって同じビットレートでも音質に違いが生まれます

あのApple製

OBSの場合、環境にもよりますが一般的にはFFmpeg AACエンコーダーが使われます。

ト音声エンコーダー

しかし、同エンコーダーは音質的にはあまり評判がよくありません。

では、ほかのエンコーダーはないのかというと、Apple社が開発しているCoreAudio AACエンコーダーがあります。

これはiTunesに含まれている無料エンコーダーで、FFmpeg AACエンコーダーよりも高音質です。もちろんOBSでも使えます

iTunes

OBS 29.1.0から音質向上

OBSのバージョン29.1.0からFFmpeg AACエンコーダーの音質が向上しました。

参考OBSに関する情報メモブログ(外部サイト)

多くのブログ・動画ではOBSのバージョンが29.0.2以前であることを前提にしたうえで音質改善について言及していることが多いです。

29.1.0以降のバージョンが普及することで、今後はFFmeg AACエンコーダーに対する評価が変わってくるかもしれません。

「出力」タブで確認しよう

準備は不要かも?

PC環境によっては、CoreAudio AACエンコーダーを使うための準備は必要ありません。すでに同エンコーダーがPCに入っている可能性があるからです。

そこで、まずはCoreAudio AACエンコーダーがPCに入っているか確認してみましょう。

  • 入っている → 準備不要
  • 入っていない → 準備が必要

29.1.0以降

その確認方法ですが、OBSのバージョンが29.1.0以降かどうかで異なってきます。

もし29.1.0以降であるなら以下のようにして確認します。

  1. 「設定」→「出力」の順にクリックする。
  2. 「出力モード」を「詳細」にする。
  3. 「配信」タブ、または「録画」タブの「音声エンコーダ」の部分を見る。

音声エンコーダ
ライブ配信するなら「配信」タブを、録画するなら「録画」タブを開きます。

「音声エンコーダー」で「FFmpeg AAC」しか選べないなら、CoreAudio AACエンコーダーはPCに入っていません。

  • FFmpeg AAC」とだけ表示される → 準備が必要
  • CoreAudio AAC」を選べる → 準備は不要

もし「CoreAudio AAC」を選べるなら、これを選んでください。設定完了です。

選べない場合の対処法は後述します。

29.0.2以前

OBSのバージョンが29.0.2以前の場合は、「音声エンコーダ」の設定はありません。以下の方法で確認してください。

  1. 「設定」→「出力」の順にクリックする。
  2. 「出力モード」を「詳細」にする。
  3. 「音声」タブを開く。
  4. 音声ビットレート」の数字部分をクリックする。
  5. 数字にマウスカーソルを重ねる(重ねるだけ)。

音声ビットレート

マウスカーソルを重ねたとき、「FFmpeg 既定のAACエンコーダ」と表示されたならCoreAudio AACエンコーダーはPCに入っていません。

  • FFmpeg 既定のAACエンコーダ」と表示される → 準備が必要
  • CoreAudio AAC エンコーダ」と表示される → 準備は不要

「FFmpeg 既定のAACエンコーダ」と表示された場合にかぎり、後述する方法でCoreAudio AAC エンコーダーを入れましょう。

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iTunesを入れるだけ

インストールして完了

CoreAudio AACエンコーダーがPCにない場合は、OBSで同エンコーダーを使うことはできません。

ではどうすればよいのかというと、iTunes(通常のデスクトップ版)をPCにインストールするのです。これだけです。特別な設定は必要ありません。

itunes

もしiTunesをインストールしたくない場合は別の方法もあります(後述)。

ダウンロード方法

iTunesをダウンロードする方法は以下のとおりです。

  1. OBSのバージョンが26.0.2以降であることを確認し、そのうえでOBSを閉じる
  2. iTunes公式サイトにアクセスする。
  3. 画面を下にスクロールし、「Windows」を探してクリックする。
  4. 「今すぐWindows用のiTunesをダウンロード(64ビット版)」をクリックする。
  5. ダウンロード・インストールする。

windows

このあとは

OBSのバージョンが29.1.0以降なら「音声エンコーダ」が「CoreAudio AAC」になっているはずです。

音声エンコーダー
▲「音声エンコーダ」の設定は、「CoreAudio AAC」と「FFmpeg AAC」で自由に変更できます。

29.0.2以前の場合は、上述した方法でマウスカーソルを「音声ビットレート」の選択肢に重ねてください。「CoreAudio AAC エンコーダ」と表示されるはずです。

音声ビットレート

OBSを起動したままiTunesをインストールした場合は、設定に反映されません。OBSの再起動が必要です。

iTunesを入れたくない場合は?

必要なもの

もしiTunesをインストールしたくない、よけいなものは必要ないと考えているのであれば、CoreAudio AACエンコーダーだけを入れる方法もあります。

参考OBSに画質を求めるのは間違っているだろうか(外部サイト)

必要なものは2つです。

  • 旧バージョンのiTunes(ダウンロードだけ)
  • 7-Zip

今回、iTunesは旧バージョンを使用します。最新バージョンのiTunesでもできるようですが、筆者は試していません。

参考【OBS】Open Broadcaster Software Part.9(外部サイト)

7-Zipは解凍ソフトのことで、ダウンロードした旧バージョンのiTunes(iTunes64Setup.exe)に含まれている「AppleApplicationSupport64.msi」を実行するさいに必要です。

ppleApplicationSupport64.msi

7-Zipは事前にダウンロード・インストールしておいてください。

やり方

CoreAudio AACエンコーダーだけを入れる方法は、以下のとおりです。

  1. Appleのコミュニティフォーラムにアクセスする。
  2. iTunes 12.9.1.4 for Windows (64-bit)」の「iTunes64Setup.exe (2018-10-24) 」をダウンロードする(インストールはしない)。
  3. 「iTunes64Setup.exe」を右クリックし、「その他のオプションを表示」→「7-Zip」→「開く」の順にクリックする。
  4. AppleApplicationSupport64.msi」をダブルクリックする。
  5. 画面を順に進めていく。

AppleApplicationSupport64.msi

「AppleApplicationSupport64.msi」を実行してインストールしたあとは、とくにすべきことはありません。上述の「このあとは」をご覧ください。

それでも音質が悪い場合は?

どう音質が悪いのかにもよりますが、比較的多いのが音がこもる、クリアではないというケースです。

これはさまざまな原因が考えられます。

  • ビットレートが低い、エンコーダーが低品質(上述)
  • OBSのフィルター(例 : ノイズ抑制、コンプレッサー)を強くかけすぎている
  • PCのサウンド機能が低品質
  • 使用しているオーディオ機材が低品質
  • Windowsの立体音響(3Dオーディオ、サラウンド)がONになっている
  • 動画再生ソフト、オーディオ関係のソフトでエフェクトがかかっている(例 : イコライザー、コンプレッサー)
  • マイクと口の距離が近すぎる
OBSとは関係ないところで音質が悪くなっているケースもあります。必ずしもOBSが原因とは限りません

また、「サーッ」というノイズが聞こえていて音質が悪く感じるケースもよくあります。ヘッドホン(ヘッドセット)をPCに接続したときに顕著に感じるかもしれません。

このようなノイズが気になる場合は、機材をそろえましょう。オーディオインターフェイスマイクを買い替えます。

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マイクの「サーッ」が気になる場合は、OBSのフィルター機能ノイズ抑制)もうまく使うとよいかもしれません。

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音質がおかしい場合は?

まずは上述の「それでも音質が悪い場合は?」をご覧ください。

それ以外だと、音が二重になることをさして「音質がおかしい」と感じる人がいます。

「二重」という部分は、人によって表現が異なります。

  • 金属音、機械、ロボットのような
  • ハウリング、ハウる
  • エコー、やまびこ、お風呂のような
  • 反響、響く
  • ループ、延々、永遠、永久
  • ダブっている

対処法については、下記ページをご覧ください。

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