OBS Studio(以下OBS)にはさまざまな機能があり、設定が複雑です。そのため、しばらく使っていないと使い方を忘れることもあるでしょう。
ふだん使わない知識なら、忘れるのはなおさらムリもありません。
そこで今回は、配信を開始するために必要な最低限の設定方法をご紹介します。設定を完全復元するのは後回しです。
参考 OBS Studioの導入方法と、3分で設定するための簡単なポイント
目次
ポイント
どのサイトで配信するのかによって、OBSの設定が異なる部分があるので注意してください。
具体的には、「設定」→「配信」タブで行う設定や、「設定」→「出力」タブの「ビットレート」の部分です。
サイトごとの設定については、下記リンク先の記事を読んだほうがわかりやすいはずです。
- YouTube Live
- Twitch
- ニコ生
- ツイキャス
- ミラティブ
マイクを流す設定をする
マイクの音(自分の声)を配信で流すには、OBSで簡単な設定をします。
- マイクをPCに接続する。
- 「設定」→「音声」の順にクリックする。
- 使用するマイクを「マイク音声」で選択する。
- 「OK」をクリックする。
▲ここに表示されるマイクの名称は、PC環境によって異なります。
マイクについては、トラブルが起きやすい部分かもしれません。もし問題が起きた場合は、下記ページをご覧ください。
画質設定をする
画質設定は2か所あります。
「設定」→「出力」
まず、「出力」タブでの設定です。
- 「設定」→「出力」の順にクリックする。
- 「出力モード」を「詳細」にする。
- その下の「配信」タブを開く。
- 「映像エンコーダ」を「NVIDIA NVENC H.264」にする(選べるなら)。
- 「レート制御」が「CBR」になっていることを確認する。
- 「キーフレーム間隔」を「2」にする。
- 「ビットレート」に数字を入力する(例 : 5,800kbps)。
- 「OK」をクリックする。
▲「エンコーダ」の設定によっては、表示される設定画面が異なります。
「ビットレート」の設定には注意してください。配信サイト側の仕様上、設定できるビットレートに上限が設けられています。
ビットレート上限 | |
ニコ生 | 6,000kbps |
ツイキャス | 60,000kbps(60Mbps) |
Twitch | 6,000kbps |
YouTube Live | 51,000kbps(51Mbps) |
OPENREC | 5,000kbps |
詳細については、下記ページに情報をまとめました。配信者自身の環境も考慮しなくてはいけないため、めんどうな部分でもあります。
「設定」→「映像」
もうひとつ、画質設定で重要なのが「映像」タブの設定です。
- 「設定」→「映像」の順にクリックする。
- 「出力 (スケーリング) 解像度」で、「1280x 720」を選択する。
- 「縮小フィルター」で「ランチョス」を選択する。
- 「FPS 共通値」で「30」を選択する。
- 「OK」をクリックする。
もしYouTubeやTwitchで高画質な配信を狙うのであれば、「出力 (スケーリング) 解像度」を「1920x 1080」にしてもかまいません。さらに、ゲームが60fps出ているなら「FPS 共通値」で「60」を選択するのもありです。
サイトに接続するための設定をする
配信サイトのサーバーに接続するための設定です。ここの設定が不適切だと、配信を始めることができません。
「サービス」を選ぶ
「設定」→「配信」タブを開き、「サービス」でサイトを選びましょう。
目的のサイトが「サービス」に表示されない場合は、「すべて表示」を選ぶことで選択肢が増えます。ツイキャスなどがこれに該当します。
それでも目的のサイトが表示されない場合は、「サービス」を「カスタム...」にします。サイト名は選択できませんが、問題ありません。ツイキャスやOPENRECなどがこれに該当します。
「サーバー」と「ストリームキー」
「サービス」の部分で、なにを選んだかによって設定が異なる部分です。
たとえば、「YouTube - RTMPS」を選んだ場合は、「アカウント接続 (推奨)」を選ぶだけです。ストリームキーのコピー&ペーストは必要ありません。
「Twitch」を選んだ場合も「アカウント接続 (推奨)」を選ぶだけです。
では、ほかのサイトの場合、どのように設定すればよいのでしょうか。以下のようにします。
- 配信サイトにアクセスする。
- そこに掲載されているストリームキーをコピーする。
- OBSの「ストリームキー」の部分に、コピーしたストリームキーをペーストする。
- 「OK」をクリックする。
ツイキャスやOPENRECなど、サイトによってはさらに、RTMP URLをOBSにコピー&ペーストする必要があります。
- 配信サイトにアクセスする。
- そこに掲載されているRTMP URLをコピーする。
- OBSの「サーバー」に、コピーしたRTMP URLをペーストする。
- 「OK」をクリックする。
このあたりについては、サイトによって設定方法が異なるため、じゅうぶん注意してください。ストリームキーやRTMP URLが掲載されている場所についても同様です。
OBSに画面を映す
配信を長期間やっていないと、おそらくOBSに画面を映す方法で苦しむことになるはずです。OBSでは、「ソース」の「+」をクリックして設定していきます。
では、どれを選べばよいのでしょうか。正解は、なにを映したいのか、なにを視聴者に見せたいのかによって異なってきます。
説明 | |
ウィンドウキャプチャ | ウィンドウ画面を見せたいときに使う |
ゲームキャプチャ | PCゲームの画面を見せたいときに使う |
映像キャプチャデバイス | キャプチャーボードを使いたいときに選ぶWebカメラを使いたいときに選ぶ |
画面キャプチャ | デスクトップ画面を見せたいときに使う |
詳細については、下記ページをご覧ください。画面が真っ暗で映らない場合の対処法についてもまとめています。
画面の大きさがおかしい場合は、ソースを右クリックし、「変換」から「画面に合わせる」を選択します。
画面サイズが合わないときの対処法については、下記ページにまとめました。
配信を始める
いよいよ配信を開始しましょう。ただ、そのまえに配信タイトルなどを設定しておきます。
配信タイトルを変更するには、通常は各サイトの管理画面(ダッシュボード)にアクセスしてください。
設定できたら、OBSの「配信開始」ボタンをクリックします。
注意したいのですが、これで配信が始まるかどうかはサイトの仕様によって異なります。というのも、配信サイトに表示されている配信開始ボタン「も」クリックしないといけない仕様のサイトもあるからです。
たとえば、以下のサイトが該当します。あくまでも一例です。
- ニコ生
- ミラティブ
- OPENREC
よくわからないときは
今回は、あくまでも最低限の設定をまとめただけです。
したがって、「知りたいことが書いていなかった」「以前の設定とは違う気がする」という場合もあるでしょう。
そのような場合は、より詳しい情報に当たる必要があります。OBSの詳しい使い方については、下記ページをご覧ください。
次回、設定を忘れたときのために
設定方法を一回忘れてしまうと、次回同じ設定にするのに手間がかかります。そこで、設定を保存しておくと便利です。
2つの機能を覚えておきましょう。
- プロファイル
- シーンコレクション
プロファイルを使えば、サイトごとにストリームキーなどを保存しておき、瞬時に切り替えることができます。
また、シーンコレクションを使えば、シーンやソースを保存しておけます。
もし再度設定方法を忘れてしまっても、この2つの機能を使えば心配ありません。うまく使ってみてださい。
2006年から15年以上、ゲーム実況のやり方の解説記事を書いています。書いた記事数は1,000本以上。ゲーム配信、ゲーム録画、動画編集の記事が得意です。
記事はていねいに、わかりやすく!ゲーム実況界の教科書をめざしています。