PCの音、およびマイクの音を配信するためには、OBS Studio(以下OBS)でどのように設定すればよいのでしょうか。
ここでいう「PCの音」というのは、たとえば以下のような音のことです。配信者がPCで聞いている音、配信者のPCから出ている音であると思ってください。
- BGM、音楽
- ゲーム音
- Discordの通話相手の声
- YouTubeなどで再生している動画の音
- 棒読みちゃんの音
もっとも、Discordの通話相手の声を配信に入れたくないという人もいるでしょう。対処方法はありますが、今回は扱いません。難しい設定が必要です。
このページの解説はWindows用です。MacOSについては扱いません。
目次
PCの音を流すための設定
まずは、PCの音を流すための設定方法について見ていきましょう。
- 「設定」をクリックします。
- 「音声」をクリックします。
- 「デスクトップ音声」で「既定」が選択されていることを確認してください。これはWindows 10の「既定のデバイス」のことをさしています。
- 「既定」にしておけば、通常はDiscordの通話相手の声も視聴者に聞こえます。うまくいかない場合は、「OBSでDiscordの通話音声を入れる方法。ほぼ設定不要です」をご覧ください。
- もしゲーム音をうまく配信できない場合は、「ゲーム音が入らない」をご覧ください。
マイクの音を流すための設定
PCの音に加えて、さらにマイクの音も流したいのであれば、引き続き設定をしていきましょう。マイクの音を流さないなら、以下の設定は不要です。
- あらかじめマイクをPCに接続しておきます。
- さきほどの設定画面を開き、使用するマイクを「マイク音声」で選択します。
- 「OK」をクリックして設定画面を閉じます。
- もしマイク音声をうまく配信できない場合は、「OBS Studioでマイク音が入らないときの対処法。チェック項目がこれだけあります」をご覧ください。
▲ここに表示されるマイクの名称は、PC環境によって異なります。
BGMの音量は下げよう
便宜上「BGM」としていますが、PCの音のことです。
BGMの音量を調整するには、「音声ミキサー」の各項目のスライダーを左右に移動させます。たとえば、以下のいずれかの項目です。
- デスクトップ音声
- 映像キャプチャデバイス
- メディアソース
▲「映像キャプチャデバイス」と「メディアソース」については、自分で「ソース」から追加した場合のみ表示されます。
基本的には、スライダーを左に移動させてください。なにもしないままだと、マイクの音がBGMにかき消されてしまいます。つまり、BGMが大きすぎるのです。
この操作をしたとき、音量が変化するのは視聴者側です。配信者自身が聞いている音量には影響ありません。したがって、たとえば視聴者に「BGMが大きいから下げて」といわれた場合は、スライダーを左に移動させます。
もちろん、ゲームやiTunes、YouTubeの動画プレイヤーなどのほうで、音量を直接調整してもかまいません。その場合は、視聴者が聞いている音量だけでなく、配信者自身が聞いている音量にも影響があります。
マイク音量は最大にしよう
OBSの「マイク」のスライダーは最大にしておきます。
マイク音量が小さい場合の対処法については、下記ページをご覧ください。OBSのフィルター機能を使って、マイク音量を大きくすることもできます。

マイク音量をミュートにしたい場合は、「マイク」の部分にあるスピーカーアイコンをクリックしましょう。
また、「設定」→「ホットキー」でショートカットキーを設定すれば、キーボードからマイクをミュートにすることもできます。
「自分に音が聞こえないぞ?」というときの設定
この2種類のソース追加時に注意
注意したいのは、「ソース」の「+」から以下のソースを追加しているときです。
なぜかというと、初期設定ではこれらのソースを追加しても配信者には音が聞こえないからです。視聴者には聞こえています。
もし自分でも音を聞きたい場合は、OBSの設定を変更しましょう。
映像キャプチャデバイス
「映像キャプチャデバイス」の場合は、以下のように設定します。
- 「映像キャプチャデバイス」のプロパティを開く(ソース名をダブルクリック)。
- 「音声出力モード」を「デスクトップ音声出力 (WaveOut)」にする。
- 「OK」をクリックする。
詳しい設定については、以下のページをご覧ください。

設定を変更したのにゲーム音が入っていない、聞こえないという場合の対処法については、下記ページにまとめました。

メディアソース
「メディアソース」の場合は、以下のように設定します。
- 「音声ミキサー」の歯車アイコンから「オーディオの詳細プロパティ」を選択する。
- 「メディアソース」の「音声モニタリング」で「モニターのみ(出力はミュート)」を選択する。
オーディオの詳細プロパティについて
細かい設定ができる
「オーディオの詳細プロパティ」の設定画面を開くと、少し細かい音声設定が可能です。
- 「音声ミキサー」の歯車アイコンをクリックする(どれでもよい)。
- 「オーディオの詳細プロパティ」をクリックする。
ふだん、あまりいじる必要はありません。できることを簡単に見ていきます。
音声をモニタリングしたい、自分でも聞きたい
「音声モニタリング」の設定を変更すると、通常の設定では配信者が聞けない音を再生できます。
たとえば配信中、マイクの音は自分では聞けません。しかし、「マイク」の「音声モニタリング」を「モニターのみ (出力はミュート)」にすることで、自分の声が聞こえる状態になります。
また、「映像キャプチャデバイス」を追加していて、かつ「音声出力モード」を「音声のみをキャプチャ」にしている場合は、「映像キャプチャデバイス」の「音声モニタリング」を「モニターのみ (出力はミュート)」にしてもかまいません。
注意したいのですが、オーディオの詳細プロパティの「音声モニタリング」設定が適切でない場合、音が二重になったり、あるいは配信で音が流れないということがあります。設定を変更するさいは、じゅうぶんに気をつけてください。
なお、音声モニタリングには遅延があります。そのため、自分の声を聞きながら歌うというような用途には向かないでしょう。
マイク音声が片方しか聞こえない
オーディオインターフェイスを使用していて、マイク音が左耳からしか聞こえない(片方しか聞こえない)という場合、「マイク」の「モノラル」にチェックを入れてください。マイク音が両方から聞こえるようになります。
音声トラックを選択したい
ライブ配信の場合、「トラック」の部分は基本的にすべてチェックを入れておいてください。
これは、「設定」→「出力」で「出力モード」を「詳細」にしたときに表示される、「音声トラック」の設定と関係しています。


マイク音声を遅らせたい
遅延の大きいキャプチャーボードなどを使用している場合に、ゲーム画面・ゲーム音声に合わせてマイク音声を遅延させることができるのが「同期オフセット」です。
たとえば、PCの画面を見ながらではゲームをプレイできないほどの遅延があるキャプチャーボードの場合は、マイク音声を遅延させたほうがよいでしょう。
もし設定するのであれば、「マイク」の「同期オフセット」に1,000~2,500msの数字を入力します。
メディアソースと音声ファイル
PCに保存してある音声ファイルであれば、「ソース」の「+」から「メディアソース」を追加し、その音声ファイルを選択することでも配信できます。
ただ、音声モニタリングの設定をしないと自分に音が聞こえない点に注意してください(上述)。
その他、音のよくあるトラブルについて
マイク音・ゲーム音が二重になる、響く


ノイズがある
OBSには、ノイズを除去するための機能が2種類搭載されています。
- ノイズ抑制
- ノイズゲート
この機能をうまく使って、マイクの音質を改善しましょう。詳細は、下記ページをご覧ください。

また、NVIDIA BroadcastやRTX Voiceといったソフトを使うと、OBSよりもさらに強力なノイズ除去ができます。


シーン機能と音声設定
最後に、少しだけ難しい話をします。さきほど、マイクの音を配信する設定を「設定」→「音声」で行いました。
しかし、じつは「ソース」の「+」をクリックすると、「音声入力キャプチャ」というものがあります。ここからの設定でマイクの音を入れることもできます。
では、「音声入力キャプチャ」にどのようなメリットがあるのでしょうか。それは、任意のシーンに切り替えたときだけマイクの音を配信できるという点です。
詳細は、下記ページをご覧ください。


質問・コメント
こんにちは!最近ゲーム実況を始めて、このサイトには凄くお世話になってます。
質問なのですが、私はOBSで録画して動画投稿をしてるのですが、マイクをミュートにすると、一緒にゲーム音まで消えて仕舞います。
録画中は普通に聞こえてるのですが、動画を確認したらマイクのミュートの部分はゲーム音も消えてました。原因が分かりません・・・。
違っていたら申し訳ないのですが、
物理的に(ヘッドホンをせず)スピーカーからゲーム音を出していて、
それをマイクで拾っている可能性はありませんか?
違う場合、キャプチャーボードやオーディオインターフェイスなど、
なにか周辺機器を使っていないでしょうか?
そちらの設定が関係しているかもしれません。
それも違う場合、OBS以外のソフトで録画したらどうなるか
試してみてください。わかることがあるかもしれません。
返信ありがとうございました!
音は基本的にヘッドホンで聞いてます。あと、オーディオインターフェース(ヤマハのAG06)も使ってます。スライドスイッチはLOOPBACKでした。
なるほど。AG06を使用しているんですね。
それでしたら、LOOPBACKモードにしている以上、
その動作は仕様です。
AG06のほうでゲーム音 + マイク音をミックスして
PCに出力しているので、OBS側(つまりPC側)で「音声ミキサー」の
「マイク」(ゲーム音 + マイク音)をミュートにすると、
動画内のゲーム音 + マイク音が消えてしまいます。
このあたりはちょっとわかりづらいと思いますが、
LOOPBACKモード時にマイクの音だけをミュートにしたいのであれば、
AG06のほうでレベルツマミ(マイクのアイコン)を左側に
回す必要があります。
このような操作が煩雑なら、LOOPBACKモードではなく
INPUT MIXモードがおすすめです。
同モードならすごく楽で、マイクをミュートにしたい場合、
OBS側で「マイク」(文字どおりマイク音)をミュートにすれば、
マイク音だけが消えます。ゲーム音が消えることはありません。
設定方法はAG03の解説記事に掲載していますので、
参考にしていただければと思います。
AG06も同じ設定です。
https://vip-jikkyo.net/how-to-use-ag03#OBS_Studio
より詳しいOBSの設定方法については、現在記事を作成中です。
11日くらいまでにはアップする予定です。
AG03使用時のOBSの設定について、解説記事をアップしました。
https://vip-jikkyo.net/set-up-ag03-with-obs
Switchを配信しようと思って色々準備したんですけど、テレビからは音出るのにパソコンに繋いであるヘッドホンからは音が出ません。したがって、配信しても音が入っていません。原因がわからないです!
設定は何回も確認したんですが、、、
「音声」からデバイスの「デバイス音声」をいくら見ても無効しか表示されていないのですがどうすれば表示されますか?
「デバイス音声」と書きましたが正しくは「デスクトップ音声」です
デスクトップ画面の右下のスピーカーを右クリックして、
「サウンド設定を開く」から「サウンドデバイスを管理する」を
クリックしてみてください。
そこの「無効」という部分にデバイス一覧が掲載されていませんか?
適切なデバイスをクリックして有効にし、OBSの設定画面を開き直すと
「既定」を選べるようになると思うんですが、どうでしょうか。
オーディオについての質問です。
普段はアプリで音楽を聴きながらゲームをプレイしています。
OBSでそれらの音楽アプリの音声を載せず、配信したいゲームの音声のみで配信する設定がありましたらお教えください。
たくさんのやり方があります。
真剣にすべて書くと文量が記事数本ぶんになるので、かなり簡潔に
2つの方法だけ書きますが…。
設定が特殊、かつめんどうなので、注意してください。
まず、そのゲームがPS4やSwitchなどで、キャプチャーボード使用時の話であれば、
「+」アイコンから「映像キャプチャデバイス」を追加して、
「音声出力」モードを「音声のみ」にします。
ゲーム音をPCでモニタリングしたい場合は、記事本文の「音声を
モニタリングする」の設定を行ってください。
そして、「設定」→「音声」の「デスクトップ音声デバイス」を「無効」にします。
このように設定すれば、キャプチャーボードのゲーム音は配信できますが、
それ以外のデスクトップ音声、たとえば音楽アプリの音声は配信に載りません。
もしPCゲームなどの配信である場合は、音楽アプリを起動した状態で、
画面右下のスピーカーアイコン→「サウンドの設定を開く」→「サウンドの音量と
デバイスの基本設定」で音楽アプリの「出力」の部分の設定を変更します。
ただ、PC環境によってはできません。
その他、下記サイト内の記事のリンクをたどると参考になると思います。
VoiceMeeter BananaとAudio Routerの併用で音声出力先が自由自在!
無料で最強のミキサー環境を作る
https://arutora.com/archives/20180518222003/
プロパティに詳細な設定が出てきません
色々ネットで検索をかけているのですがなかなかめぼしいものがなく自分でも弄っているのですが治りません
「プロパティに詳細な設定」というのは、「オーディオの詳細プロパティ」の
ことでしょうか?
「ミキサー」の部分に歯車のアイコンはありますか?
ないなら、右クリックから「すべて再表示」で表示されます。
また、そもそも「ミキサー」がないのであれば、
「表示」→「ドック」→「UIをリセット」で表示されます。
具体的な状況を教えてください。