OBS Studio(以下OBS)は、2012年のリリース以来、ゲーム実況の世界でなくてはならない存在になりました。
筆者もOBS(Classic)リリース当初から長年愛用しており、そこそこ慣れているつもりですが、使い始めた当初は現在よりもさらに知らないことが多い状態でした。
このページでは、
- 筆者が最初につまずいた点
- 失敗あるある
についてまとめました。
OBSを1回以上使ったことある人向けの記事です。
目次
プロファイルを使いこなせていなかった
YouTube・Twitch切替えは簡単だ
「プロファイル」を作っておけば設定の切り替えができます。
具体的には、
- 毎週土曜日はYouTubeで配信
- 毎週日曜日はTwitchで配信
したいという場合、瞬時にパッパッと2クリックで切り替えられます。
しかし、プロファイルの存在を知らないと、
- Twitch用の設定を消して、YouTube用の設定にする
- YouTube用の設定を消して、Twitch用の設定にする
という作業を毎回しなくてはいけません。これでは配信する気が失せます。
プロファイルをうまく使って設定を切り替えましょう。
設定が保存できとらんのだが?
しかし、プロファイルの使い方には慣れが必要です。
筆者だけではないと思うのですが、設定が保存できていないケースがあったのです。原因は2点ありました。
- 「複製」や「新規」でプロファイルを作らなかった
- プロファイルで保存できない設定を保存しようとしていた
1点め。まず、プロファイルは「複製」か「新規」で作らないといけません。そうしないと設定が上書きされてしまうからです。
なにを言っているのかわからないと思いますが、筆者としては
- 設定する。
- 「名前をつけて保存」的なことをする。
- 設定が保存される。
という流れをイメージしていました。
しかし、実際のOBSは
- 設定する。
- 設定が保存される。
という仕様になっているのです。
したがって、「複製」か「新規」をクリックしてプロファイルを別にもう1個作らないと、現在の設定が上書きされて消えてしまいます。
2点めですが、そもそもプロファイルでは保存できない設定があります。
プロファイルで保存できる設定としては、一例ですが
- アカウント接続(例 : YouTube、Twitch)
- URL・ストリームキー
- 映像ビットレート・音声ビットレート
などがあります。
では、追加したシーン・ソースの設定は保存されないのかというと、保存されません。
シーン・ソースを保存したいなら、「シーンコレクション」という別機能を使う必要があります。「プロファイル」の右横です。
プロファイルの存在を知らない人もいると思いますが、知ったあとも使い方にはじゅうぶん注意してください。
メーターの見方が違った
音量バランス難しすぎ
ゲーム・マイクの音量バランスは永遠の課題かもしれません。
なぜなら、
- ゲーム音量が大きすぎる
- マイク音量が小さすぎる
- ゲームタイトル、場面によってゲーム音量がバラバラ
ということが多いからです。
音量が適切かどうか判別するためには、レベルメーター(以下メーター)の確認が必須です。
このとき、マイク音量については「緑色が安全、赤色は危険」などと思わないようにしてください。常時緑色の左端だと小さすぎます。
筆者もいろいろなゲーム配信を見ていますが、初めてゲーム配信をやる人はかなりの確率でゲーム音量が大きすぎます。逆にマイク音量は小さすぎます。
声が入っていないのに気づかない
「『マイク』のメーターが動いているからマイク設定は問題ない」と考えていないでしょうか。
あえて脅すような表現を使いますが、罠です。
メーターが動いていても、設定によっては
- ライブ配信で自分の声が視聴者に聞こえてない
- 録画で自分の声が動画に入ってない
ケースが起こりえます。つまり、メーターが動いていても安心できません。
このようなことが起きる原因は、2つ考えられます。
- 音声トラックの設定ミス
- 音声モニタリングの設定ミス
声が入っていないのに、マイクに向かって一生懸命しゃべり続けていたことに気づくと、強烈な徒労感を覚えることでしょう。
そこで、自分の声が問題なく聞こえているか、最初に確認するくらいの用心深さはあってもよいかもしれません。
- ライブ配信 → 自分で自分の配信を確認
- 録画 → 録画して動画を確認
リプレイバッファあったんかい
録画をムダにしないでいい
OBSの画面録画機能を使って実況動画を作っている人もいると思います。
これはこれで便利なのですが、ピンポイントで見せ場が発生したとき、あとでその場面を探すのが億劫になることがあります。
たとえば、ゲームプレイを録画しているとして、録画開始10分30秒と15分43秒で見せ場が来たとしましょう。
あとで動画を見返したとき、その時間を覚えていられるでしょうか。
たいてい忘れてしまいます。そのため、動画をシーク移動しつつ「どこだっけなぁ。このへんかなぁ」と探すハメになるわけです。
また、長時間録画すればファイルサイズも大きくなるので、通常録画だとストレージの残り容量が気になることがあるかもしれません。
そこで「リプレイバッファ」です。
この機能を使えば、ボタンをクリックしたときから遡って動画を保存できます。
たとえば、3分遡って動画を保存するように設定しておくとしましょう。見せ場が終わったときにボタンを押せば、そこから3分遡って動画が保存されます。
つまり、つねに最大3分の動画ができあがります。これなら見せ場を探す手間が省けます。
近年のゲーム機(PS5/PS4、Switch)にはバックグラウンド録画機能が搭載されていますが、あれと同じような感覚で使えると思ってください。
自動開始だってできるのさ
リプレイバッファーを使うメリットのひとつに、録画開始を忘れずにすむというものがあります。
じつはゲーム実況者「あるある」なのですが、実況動画を作りたいのに録画開始せずにゲームをプレイしていた、という笑えないケースがあります。
「んなわけあるかーい」と思うかもしれません。あります(断言)。
こういったことを防ぐためには、リプレイバッファーを自動開始する設定にしておけばよいのです。
設定方法は上の記事にまとめました。リプレイバッファーをうまく使うと便利です。
録画しようとして配信してしまう
OBSをライブ配信・録画の両方で使っていると、たまにやらかすのが「録画しようと思ったらミスで配信開始してしまった」というケースです。
そこで以下のように設定しましょう。
- 「設定」→「一般」の順にクリックする。
- 「配信を開始するときに確認ダイアログを表示する」にチェックを入れる。
- 「OK」をクリックする。
このように設定すると、配信開始前に確認用のメッセージが表示されます。
ほかにも、録画用のプロファイル・配信用のプロファイルを作って使い分けるという方法もよいかもしれません。
情報なしでアプデするのは罠だぞ
OBSを起動したときアップデートの通知があると、無意識に「今すぐ更新」をクリックしたくなります(少なくとも筆者は)。
たしかに、アップデート自体はいつかやったほうがよいでしょう。新しい機能が追加されたり、バグが修正されたりします。
しかし、いますぐである必要はありません。少し待って情報を集めてからでも遅くはないはずです。
理由は3つあります。
- 使い方・設定方法が変わることがある
- プラグインが最新バージョンに対応していないことがある
- トラブルが起きる原因になることがある
3番めの例として、バージョン 31.0で「ゲームキャプチャ」を使って『VALORANT』や『League of Legends』の画面を映そうとするとトラブルが起きます。
たとえば、以下のようなトラブルです。
- OBSに画面が映らない、真っ黒、真っ暗
- カクカクする、カクつく
- ゲームが固まる、フリーズする
- ゲームが起動しない、落ちる
下記サイトにあるとおり対処法自体は簡単ですが、これがもし配信直前だったとしたらどうでしょうか。
配信開始直前に、しかも情報がないままOBSをアップデートしていたなら、「あれ?配信でヴァロをやりたいのに!詰んだ!」となりかねません。
こういったことを避けるためには、すぐにはアップデートしないことが重要です。
また、もしアップデートを契機におかしくなったと感じた場合は、ダウングレードも視野に入れておきましょう。
まとめ
筆者がOBSでつまずいた部分は、ほかの人も同様につまずく可能性があります。
もしこれからOBSを使ってみようと考えているのであれば、ぜひ参考にしてください。
また、筆者が遭遇したトラブルや解決法は、このサイトに随時まとめています。必要に応じてご覧ください。
2006年から15年以上、ゲーム実況のやり方の解説記事を書いています。書いた記事数は1,000本以上。ゲーム配信、ゲーム録画、動画編集の記事が得意です。
記事はていねいに、わかりやすく!ゲーム実況界の教科書をめざしています。